昨年7月に起きた京都アニメーション(京アニ)放火殺人事件は、死者36名という殺人事件では戦後最悪の犠牲者数となった。あれから約半年、現地では「慰霊碑問題」が浮上しているという。

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 現場となった京都市伏見区の住宅街にある建物は、現在、全体を防音シートで覆われている。今月7日に始まった本格的な解体工事は4月下旬まで続く見通しだが、問題が持ち上がっているのはその跡地について。一部の遺族が慰霊碑を建立することを希望する一方、近隣住民からは「平穏な暮らしが妨げられる」として、慰霊碑などを立てないで欲しいとの要望が出ているのだ。

 犠牲者の一人、石田奈央美さん(当時49歳)の母親は、

「建物を建てて面白半分で来られるより、公園や慰霊碑にしてちゃんと手を合わせられるような場所にして欲しい」

 と語る一方で、地元・因幡東町町内会の安達欽哉会長は次のように話す。

「遺族の方の気持ちも、ファンの方々の気持ちもよく分かるのですが、慰霊碑が出来てしまうと、節目節目に大勢の方がいらっしゃることになる。京アニさんはそれだけ愛されていたということなのでしょうが、ここは我々の生活の場でもある。そのあたりを斟酌してもらえればと思います」

 実際、昨年9月頃まではファンらがひっきりなしに訪れ、中には近隣住宅の敷地に腰掛けるなど、近隣住民が迷惑をこうむるケースもあったという。

 慰霊碑を希望する遺族の心情も分かるが、反対する住民側にも酌むべき事情もある。故に“悩ましい”のである。1月23日発売の週刊新潮で詳しく報じる。

「週刊新潮」2020年1月30日号 掲載