コロナで激増したUber Eatsの配達員が最近、被害を受けているという報道がありました。バスが幅寄せをしてきたり、歩行者から肘打ちをされたり、といろいろあるようで、今では専用ボックスのUber Eatsのロゴを隠す配達員もいるそうです。まぁ、隠してもあのボックスは見ればすぐに分かりますが。

 確かに、配達員の中には無謀な運転をして自動車やトラック、バスの運転手をヒヤヒヤさせる輩もいることでしょう。しかし、Uberの配達員というだけで理不尽な目に遭わされるのはいけないことです。ここでは、Uber Eatsに反感を抱く人の気持ちについて思いを馳せてみます。

 無謀運転に遭遇した人については「まぁ、理解はする」と言っておきます。その他の人については、以下の理由があるのでは。

(1)「自由な働き方をしている」と報道されているので羨ましい(2)「ギグワーカー」として副業でカネを稼いでいるのが羨ましい(3)勝手に低学歴なバカだと捉え、そんな人が「月収40万円」といった記事を見てむかついた(4)なんだか「新しい生き方」の最先端を驀進している感じがしてモヤモヤする(5)質が低い(キチンとしたトレーニングを受けていない)のに、にわかにプロとして仕事をしている

 私のようなネットニュース編集者も、2000年代中盤はUberの配達員と同じような扱いを受けていたことを思い出します。当時は「フリーランスでインターネットの編集仕事をしている」というだけで、紙メディアの方々だけでなく、一般の方々からも(1)〜(5)のような扱いを受けました。

 だから今回、Uberの配達員に対しては「お気の毒に!」と思う部分もあります。本稿では、「なぜか嫌われる人々」について言及していきます。今、佐賀県唐津市に住んでいる東京からやってきた私ですが、なんだかんだいって地方都市では、飲み屋の常連客などから嫌われていると感じることも(もちろん、楽しく住んでいますよ〜♪)。

 都会モノが「お高くとまりやがって」と嫌われることは分かりますが、その他のネットの反応やこれまでに聞いた嫌われる人々を紹介します。

「ピアスをつけている男」「IT社長」「ハロウィンで仮装する若者」「成人式で派手な格好をする若者」「マスコミ・広告の人」

 すべて「あなたに何か害悪をもたらしたの?」というものなんですよね……。別に猛烈なワキガや口臭を撒き散らかして改善要求も聞き入れない、というようなことではなく実害もないのに。もちろん、ハロウィンで仮装する若者が酔っぱらって暴走してハメを外すこともあるでしょうが、あくまでもごく一部。

 今回のUber配達員批判騒動については、04年に堀江貴文氏がプロ野球参入を表明したところ、巨人の親会社である読売新聞の親玉・渡辺恒雄氏から「知らない人が入って来てはいけない」みたいなことを言われていたのを思い出します。その後堀江氏は証券取引法違反容疑で逮捕され、収監されました。

 でも、堀江氏が作ったライブドアの後身は今をときめくLINE社なワケで、ナベツネ氏の反発はおかしかったと思います。新しいことをすると叩く風潮、本当にイヤ。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。

まんきつ
1975(昭和50)年埼玉県生まれ。日本大学藝術学部卒。ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目を浴び、漫画家、イラストレーターとして活躍。著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)『ハルモヤさん』(新潮社)など。

「週刊新潮」2021年2月4日号 掲載