ようやく議論への第一歩を踏み出した。長らく棚上げされていた、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議がスタートしたが、皇室の将来を左右する問題ゆえ、早くも難航が予想されている。その現状に女性皇族、とりわけ愛子さまのご胸中には“さざ波”が立っているようで……。

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 その有識者会議のメンバー6人が発表されたのは3月16日のこと。JR東日本会長の冨田哲郎氏、慶応大学教授の細谷雄一氏、女優・作家の中江有里氏らだった。

 皇室ジャーナリストが解説する。

「歴史や皇室の研究者が一人もおらず、男女も半々です。色のついていない中立的な立場の方を選んだのでしょう」

 早速、細谷教授に訊くと、

「厳しい情報統制が敷かれ、各メンバーは発言しないでくれ、と言われています。なので、何も申し上げられません」

 ともあれ、今後はこの会議で女性天皇や女性宮家の創設、旧皇族の皇籍復帰などを検討していくことになる。そもそも、この有識者会議は上皇さまの退位特例法案が4年前に国会で成立した後、速やかに設置されるはずだった。

 ところが、

「安倍前政権では、特例法の施行後もこの問題は先送りされ、いっこうに議論される様子はありませんでした。安倍前総理が伝統的な男系男子による皇位継承を持論としていたために、女性・女系天皇へと傾きかねない議論の開始は諒としなかったのです」(前出のジャーナリスト)

 菅政権となり、一気に話が進むかといえば、そうでもないようだ。

 上皇さまの生前退位を議論した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」で座長代理を務めた、東京大学名誉教授の御厨貴(みくりやたかし)氏が指摘する。

「私が参加した前回の有識者会議と同様、今後は専門家を多数呼び、議論を行っていくことになります。前回の会議で結論を出すことができたのは、安倍政権が安定し、最後まで運営がなされたことも大きな理由でした。しかし、いまの菅政権は支持率の面で安定しているとはいえず、衆院選も控える中で、結論までたどり着けるのか、疑問です」

“将来がどうなるか”

 さらに、テーマそのものの難しさもあると続ける。

「今回の会議で俎上に載るのは、皇位を継承していくのが男系なのか、それとも女性・女系も認めるのかという、皇室の今後を占う本質的な課題です。男系派と女性・女系派の真っ向勝負となるので、簡単に結論は出せないでしょう」(同)

 その場合、影響を受けられるのは他ならぬ愛子さまである。

 再びジャーナリストが、

「以前、未婚の女性皇族に胸中を伺ったところ、女性宮家や女性・女系天皇を含め、皇室の今後が見えない今、“自分の将来がどうなるか分からない”と不安を吐露されていました。もちろん、愛子さまも同じ思いを持っておられるでしょう。女性天皇が認められれば、特に愛子さまの場合はご自身が即位される可能性がある。すると、“帝王学”の習得やご結婚相手をお選びになる際にも、より一層の慎重さが求められ、生活は激変することになります。女性宮家創設に議論が留まる場合でも然りです」

 12月には成年となられる愛子さま。ご公務も増えていく中、会議が始まっても将来への気がかりは払拭できぬままなのである。

「週刊新潮」2021年4月1日号 掲載