全国で約250店舗を展開し、年商180億円以上を誇る日本最大級の美容室グループ「EARTH(アース)」。創業者でアースホールディングス代表取締役を務める國分利治氏(62)は、近年、「マツコ会議」(日本テレビ系列)などテレビ出演も多く、プール付き10億円豪邸やフェラーリ所有など豪奢な生活ぶりが注目を集めている。

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 國分代表は、自著『地道力』(PHP研究所)の中で、『私の経営方針は、これは今も変わっていませんが、『お客様第一』です』と綴っている。また、〈常に店をキレイに保ち、お客様を大切にしようという姿勢を表すことは、どんなサービスを提供するか以前の問題〉とし、清潔さへの強いこだわりも披露している。

 だが、國分代表が著書で綴っていた言葉と、お店の実態はかけ離れたものであったと語るのは、元アース従業員の町田貴子さん(仮名)だ。

 町田さんは、銀座のクラブに勤務していた時に國分代表と知り合ったのが縁で、アースに勤めることになったという。

「2018年に、ホステスを辞めたことを國分さんに話したら、千葉県内にある店舗の受付の職を紹介してくれました」

 町田さんは、以前にも國分代表の紹介で、アースの短期の受付職をしていた経験がある。

「でも、いざ働いてみたら、アースでは美容師免許を持たない従業員に頻繁にカットをさせていたり、不衛生でお客様に出す飲食用の容器の裏側にびっしりカビが付いていたり、失望することばかりでした」

シャンプー台に下半身を……

 町田さんが特に驚いたのは、自身らの歓迎会も兼ねた店舗での飲み会だった。

「営業終了後、お酒や食べ物を買ってきて店舗内で飲み会をしました。みんな酔って、ある男性従業員はふざけてパンツだけの姿になり、踊っていました。さらには、パンツも脱いで全裸になり、薄いビニール袋を巻き付けただけの姿でシャンプー台にお尻を突っ込んでいたことです」

 その場にいた他の従業員は、止めるどころかゲラゲラ笑いながら動画を撮影していたという。

「この店舗では、別店舗のオーナーの妹さんもスタイリストとして在籍していて、飲み会に参加していました。オーナーの妹さんなので止めるかと思ったら、彼女もゲラゲラ笑って楽しそうにしていたのです。この店舗のオーナーも、飲み会に参加したのですが、後日、〝あの動画はSNSとかに載せないでね〟と釘を刺されました」

 ちなみに、下半身をシャンプー台に入れた男性従業員であるA氏や、他店舗のオーナーの妹である女性従業員は、現在(7月24日時点)も同店舗にスタイリストとして在籍している。

 この歓迎会当時、A氏は美容師免許を取得していなかったが、

「オーナーは、Aさん含め、3人の無免許の従業員にカットなどの施術を日頃から行わせていました」

 そのため、

「保健所にバレないように、サロン予約大手サイトのホットペッパービューティーには、無免許の従業員は載せていませんでした。ですが、例えば口コミで〝Aさんにまたカットをお願いしたいけど、ホットペッパーに名前が出ていない〟みたいなことが書かれると、その口コミに対して、〝ご要望の欄に『A指名』と入れてもらえれば担当致します〟などと返信し、指名を逃さないようにしていたのです」

 さらに手の込んだ〝偽装工作〟もあり、

「美容室には定期的に保健所の検査がありますが、保健所の職員が来る日は無免許の従業員に有休をとらせ、指名も入れないようにしていました」

 この店舗では、無免許の従業員に対して美容学校の学費を一部負担する制度があった。働きながら美容学校の通信制コースなどに通い、3年後には国家試験を受験できるというものだが、

「免許を取る前に、カットなどの実務に当たらせるのです。講習などでアースの他店舗の従業員と一緒になった時、〝ウチ、免許ない子に切らせてるんだけど……〟と聞いたところ、〝ウチもそうだよ〟と当然のことのように言われました。でも、別の有名美容室で働く友人に聞いてみたら、〝ウチでは絶対にあり得ない。美容師法違反じゃん。ヤバいよ〟と言われ、やっぱりおかしいと思ったのです」

 そうした裏側を見せられた町田さんは、2019年に退職。仕事を紹介してくれた國分代表への配慮もあり、当時は公にすることは考えていなかった。

 しかし、今年春に信頼していたスタイリストのいるアースの他店舗に客として行くと、カラー剤を顔に付けられるなど施術面や対応に疑問を感じ、勤務時に見聞きした問題点も踏まえて、今回の告発を決めたという。

國分代表は「きちんと消毒して使ってますから」

 同社は、

〈弊社従業員、A※(編集部註 実際の回答では実名)が2018年7月29日に店舗内にて行われた新人歓迎会においての問題行動に関する事実を確認いたしました〉

 と問題行動を認めながらも、

〈Aの問題行動に対して当該店舗FCオーナーは、ただちに問題行動をやめるよう指示をしており、今後はそういった行為を行わないよう厳重注意をしております。また、問題行動が行われたシャンプー台に関して翌営業開始前までに十分な消毒を行い営業に臨みました〉

 無免許での施術については、

〈Aが美容免許取得前に法令上認められていない業としての美容行為を行なっていた事実を確認いたしました〉

 と認め、A氏は現在、美容師免許を取得していると説明した。

 再発防止に関しては、

〈目下弊社に在籍している全スタイリストに対して美容師免許提示および再提示の義務付けを行いました〉

 と回答した。

 國分代表本人にも尋ねると、

「(無免許での施術に関しては)それはちゃんと厳重にやっておりますから! そういうミスもあったのも確かですけど、それを認めてやってるわけではないので。シャンプー台もきちんと消毒して次の日に使っておりますからね、お客さんには」

 という。

 もっとも、町田さんに再度聞くと、

「飲み会があった日、オーナーは飲み過ぎて店舗で爆睡して、乱痴気騒ぎをその場では見ていません。やめるよう指示をしたという会社側の回答は嘘でしょう。Aさんはそのまま店に泊まって寝てしまったので、消毒する時間なんてありませんでした。何より当時は店舗に消毒液自体なかったんです。私はお客様に接する仕事だから必要だと思い、自分用の手指消毒液を持参していましたけど、消毒液自体ないのに一体どうやって消毒したというんですか」

デイリー新潮取材班

2021年7月24日 掲載