宮内庁は10月1日、秋篠宮家の長女・眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚を正式に発表した。

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 小室さんは9月27日、約3年ぶりに帰国。新型コロナウイルス対策として、横浜市の実家で隔離生活をしているという。

 宮内庁は、入籍と会見を10月26日に行うと発表。結婚に反対する世論は依然として根強いが、いわゆる「ルビコン川を渡る」ことが決まったわけだ。担当記者が言う。

「実は眞子さまも小室さんも会見には消極的で、宮内庁側が必死に説き伏せたという裏事情があります。とにもかくにも、全国民が注目する会見になるでしょう」

「会見は、こう開くべき」というルールがあるはずもない。小室さんが自分で会場を確保し、マスコミを呼ぶことも可能だ。

「しかし、実現性は極めて低いでしょう。結局のところ、皇室や宮内庁の取材を担当する記者クラブ『宮内記者会』が仕切る会見になると思われます」(同・記者)

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、1961年にNET(現・テレビ朝日)に入局。78年から長い間、宮内庁担当記者を務めた。クラブOBである神田氏は「宮内記者会は今も昔も最も閉鎖的な記者クラブと言っていいでしょう」と指摘する。

 何しろ常駐加盟は15社に過ぎない。全国紙と通信社、あとはNHKと民放キー局だけなのだ。

皇族会見の独自ルール

「近年は首相会見など、クラブ加盟社以外にも門戸が開かれるケースも目立っています。しかし、宮内記者会が仕切る会見に、加盟社以外のメディアやフリーランスの記者が参加することは皆無と言っていいでしょう。皇族が海外を訪問される予定があった際、海外メディアが特別に参加するぐらいだと記憶しています」(神田氏)

 一般的な会見の進め方には、ある種の慣例がある。まずはクラブ加盟社が持ち回りで担当する「幹事社」が、代表でいくつかの質問をする。それが終わると他社の記者が挙手をし、司会進行の担当者に指名されると、所属と名前を明かして質問を行う。

「出席が認められていれば、クラブに加盟していない海外メディア、雑誌の編集部、フリーランスの記者が指名されることもあります。『会見に時間の制限は設けず、質問がある限りいつまでも答えます』というケースもありますが、やはり稀でしょう。特に首相や芸能人の会見では、規定の時間が来ると打ち切られることが珍しくありません」(前出の記者)

 ところが皇族の記者会見となると、質疑応答が行われないことも日常的だ。神田氏が説明する。

「回答拒否」の数々

「加盟する15社が協議し、事前に宮内庁へ質問を提出します。初めから『全部で3問』などと、質問数に制限がある場合もあります。そういう時は15問くらいの質問を3問にまとめてしてしまいます。私たち記者でも『無理やり3問にしたから分かりにくい文章になったな』と苦笑するくらいでした。案の定、宮内庁から『もっと簡潔にしてください』と戻されてしまいました(笑)」

 クラブと宮内庁のやり取りで、いわゆる“NG”と認定された質問は少なくない。政治的な問題を質問すると、「象徴天皇制という観点から相応しくない」、意外な素顔を探ろうとすると、「プライバシーに抵触する」という具合だ。

「チェックが終わって質問が確定しても、担当記者は安堵できません。本番の会見で、お答えにならないことがあるからです。もちろん質問内容はご本人に伝わっているわけですから、『回答拒否』ということになります。決して珍しいことではありません」(同・神田氏)

 回答が得られなかった場合、政治家の会見なら記者が食い下がることもある。だが、相手が皇族の方々ともなると、そういうわけにもいかない。

宮内庁とのせめぎ合い

「宮内記者会が担当する会見は、事前に打ち合わせた質問項目に従って、テレビカメラの前で回答を述べられるというスタイルです。記者がお答えに疑問を感じても、『その点、詳しい説明をお願いします』とか、『先ほどのご回答に分からない点があるのですが』などと質問することはできない慣習です」(同・神田氏)

 眞子さまと小室さんが臨む今回の会見は、国民の関心が非常に高い。それこそ「マスコミに質問してほしいことが山のようにある」状態だろう。

 一方、宮内庁としては、単なる慶事の会見としたいはずだ。金銭トラブルを巡る質問が小室さんに集中し、一種の火ダルマ状態になる──こんな事態は絶対に避けたいに違いない。

「クラブ側も聞きたいし、宮内庁もOKだろうという質問があります。例えば、『結婚が決まった今のお気持ちを』とか、『改めてお互いのことをどう思っておられますか』、『日米で会えない日々は寂しかったですか』というものです。これらは会見で実際に質問される可能性があると思います」(同・神田氏)

 とはいえ、毒にも薬にもならない質問ばかりでは、記者クラブが国民の知る権利に応えているとは言いがたい。

納采の儀への疑問

 特に加盟社にとっては、自分たちに国民の怒りが向けられるのは避けたいだろう。

「眞子さまと小室さんのご結婚は、何もかもが異例です。世論調査では少なくとも国民の半分が反対しています。小室さんは母親の金銭トラブルなど、解決が求められる問題を抱えたままです。更に週刊誌を中心に、数々の“疑惑”が報じられています。本来なら説明責任を果たす必要があるはずでしょう」(同・神田氏)

 宮内記者会としても、少しでも真相を明らかにする会見にしたい。国民の疑問に応える質問をしたい──そう考え、今も宮内庁と協議しているはずだと神田氏は言う。

 攻めた内容でありながら、宮内庁も簡単には反対できない質問を、神田氏に考えてもらった。

「まずは『なぜ今、結婚されるのですか』という質問です。特に小室さんが渡米してからは、眞子さまとメールなどでどんなやり取りを続けてこられたか、全く明らかになっていません。結婚に関してどのように話し合われ、今年10月に結婚すると決断されたのか、その経緯をご説明いただくことは大変に重要だと思います」

 2つ目は、納采の儀を行わないという問題だ。皇族女性が民間に嫁ぐ際、儀式を行わないのは眞子さまが初めてのケースとなる。

小室文書への質問は?

「一般の方の結婚でも、結納を行うケースはあるでしょう。しかし、皇室の結婚でありながら、結納にあたる納采の儀を行わないというのは前代未聞です。どのようなお考えから納采の儀を行わないと決断され、秋篠宮さまや宮内庁とどのような話し合いをしてこられたのか、お話をお伺いする必要があると思います」(同・神田氏)

 一方で、宮内庁が拒否する可能性が高い質問もある。例えば、小室さんの母親である佳代さんが抱えている金銭トラブルを巡るものだ。

 2021年4月、小室さんはこの金銭トラブルの経緯や自身の考えなどを文書で明らかにした。あまりの長文が話題を集めたが、「解決金を支払う方向」と明記されたにもかかわらず未だに実現していないなど、疑問点も少なくない。

 また、文書として発表されただけで、記者が小室さんに質問する機会はなかった。会見が開かれることを好機とし、文書について改めて質問したいと記者が考えるのは当然だろう。

「金銭トラブルが依然として国民の関心事になっているのは紛れもない事実です。記者としては質問したいのは山々でしょうが、これまでの宮内庁の前例を考えると、『それは終わったことです』という方針になると思います。」(同・神田氏)

那須での“爆弾質問”

「小室さんが文書を発表した以上、もうその問題は解決したというのが宮内庁のスタンスになるのではないでしょうか」(同・神田氏)

 興味深いことに、宮内庁がそうした意向をストレートに伝えない可能性もあるという。「金銭トラブルは過去のものですから質問には応じません」と正面切っては答えないというわけだ。

「『その問題に触れると、大切な他の質問にお答えする時間がなくなってしまいます』と婉曲的に拒否されることはよくあります。皇族の皆さまが出席される会見は、基本的に何十分という単位です。1時間や2時間ということはありません。制限時間をオーバーしてしまうと言われると、記者クラブとしても反論しにくい。そうした心理を宮内庁もよく分かっているわけです」(同・神田氏)

 過去に遡れば、“蛮勇”を振るった記者がいなかったわけではない。ただ、それでも質問に答えてもらえたわけではなかった。

「昭和天皇(1901〜1989)が那須の御用邸へ避暑に行かれた時のことです。リラックスした雰囲気で記者と質疑応答しようと、特別の機会が設けられました。陛下は生物学者としても大変な方です。最初は那須の自然など穏やかなものばかりでした」(同・神田氏)

宮内庁vs.記者クラブ

 ところが、ある記者が関連質問で“暴走”してしまった。

「夏ですから終戦の日に関連させて、第2次世界大戦について質問したのです。すると当時の入江相政侍従長(1905〜1985)が怒って退出。昭和天皇も後を追われたということがありました。入江侍従長は幹事社に、厳重に抗議したと聞いています」(同・神田氏)

 そうは言っても、今回のケースは少し異なるという。神田氏は「宮内庁も、それほど強気の態度で記者からの質問を拒否するわけにはいかないかもしれません」とも指摘する。

「少なくとも国民の半分が反対しているという事実は軽くありません。皇室は国民と共に歩むことで、国民の支持を得てきました。眞子さまと小室さんには、国民に対する説明責任があるのは言うまでもありません。こうした世論を宮内記者会は突破口にしようと考えているのは間違いないでしょう。宮内庁も国民の声を考えれば無下にはできません。水面下での記者と宮内庁の交渉は、相当なものになるのではないでしょうか」

デイリー新潮取材班

2021年10月16日 掲載