「夢と希望の事業」の実態は“事故案件”だったのか。ZOZO創業者で宇宙旅行まで実現した前澤友作氏(46)が出資するプライベートジェットサービスがまさかの「危険飛行」で離陸しようとしているのだ。

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 前澤氏がZOZOに次ぐ「第二の創業」として、起業家を支援する「前澤ファンド」を設立したのは2年ほど前のこと。募集をかけて前澤氏サイドの審査を行った後、2021年の元日に出資する14社が発表された。そのうちの一つとして名を連ねたのが株式会社オープンスカイである。

 18年5月に設立された同社の代表は本多重人氏(34)。社員は約10人、他に4人のパイロットが所属し、「空をもっと身近に」を理念に掲げる。プライベートジェット事業を手掛けるべく準備中で、ファンドのHPには前澤氏が、

〈スマホからタクシーを呼ぶくらいの感覚で、ジェット機を使ってもらえたらいいなと思います〉

 と期待を寄せている。

運転資金が底をつく寸前

 航空業界関係者が言う。

「昨年6月に前澤ファンドから8億円を出資してもらい、さらに今年に入って多額の社債を引き受けてもらっています。にもかかわらず、事業をスタートできず、すでに運転資金が底をつく寸前。本多さんには焦りが見られます」

 まず、そのビジネスモデルについて解説を願うと、

「オープンスカイが海外のメーカーから飛行機を買い付け、1機を複数人に販売します。同社が飛行機の管理、操縦をしてオーナーがカーシェアのような形で利用することができるのです。ひとりで機体を購入することも可能ですが、シェアする場合は会員権が8千万円と3300万円の二つのプランがあり、それとは別にフライトするごとに1時間あたり数十万円がかかります」(同)

パイロット時代、初歩的なミスで不時着

 実現すれば富裕層にとってはまさにタクシー代わりに航空機を利用できるようになるというわけ。だが、そうは問屋が卸さない。

「このビジネスには二つのリスクがあるのです」

 と、国交省関係者が指摘する。

「航空機には自家用機と事業用機の二つの区分があります。事業用機の場合、航空局に許可を得なければなりません。一つ目のリスクはこの会社は許可を得ずに自家用機で事業を始めようとしている点です」

 すると、飛行の安全性に懸念が生じるという。

「事業用機の場合はANAやJALのように整備の基準が厳密に定められており、独立した安全統括管理者を設置する必要があります。この管理者がダメと言えば、機長も飛ばすことはできません。しかし、自家用機はマニュアルに沿って整備するだけなので、ヒューマンエラーが起きることもあるし、オーナーから“今日はなんとしても飛ばせ”と言われれば、多少の整備不良でも飛行することができる。それで墜落でもしたら……。本多さんはパイロット時代の8年前、初歩的なミスで桃畑に不時着したという過去があります」(同)

航空法違反の恐れ

 同社には事業用機に求められる整備の仕組みは全く設けられていない。さらに、前澤氏を含めたこんな“プラン”まで浮上していると話すのは先の業界関係者。これが二つ目のリスクである。

「すでに前澤さんの資産管理会社はオープンスカイの航空機を2機購入しています。それを“又貸し”する形で搭乗者から利用料をとろうとしているのです。これは自家用機を事業用機かのように使用し、お金をとることになり、航空法違反の恐れがあると同社内で懸念の声が上がっています。要は許可を得ない“白タク”行為にあたるのではないか、と言われているのです」

 実際、すでに一昨年の夏には航空機利用料をとる形で企業の社長らを乗せて飛行しているという。

周囲に「安全性は二の次」

 では一連の事実について、本多代表に問うと、

「東京航空局とは弁護士を交え、昨夏から3、4カ月に1度ミーティングを開き、事業の中身と進捗を説明しています。航空法違反だという指摘はなく、オーナーが機体を第三者に貸すことは違反ではありません」

 前澤氏はこうコメントを寄せた。

「前澤ファンドでは当初から、事業に関わるリスクはすべて開示していただいているので、担当弁護士事務所と共に、協議を行った上でしっかりと判断しております」

 とはいえ、本多代表自身の「安全意識」に不安の声も。

「本多さんは周囲に“安全性は二の次。飛ばすのが第一だ”“飛行機のコンディションは後回しでいい”と話しており、そうした安全意識の低さを諫める社員を左遷したり、辞めさせるなどのパワハラまで働いているのです」(業界関係者)

「週刊新潮」2022年4月21日号 掲載