昨年から上場企業すべてに義務付けられているのが「社外取締役」の設置である。社内的な利害にとらわれない人材が役員会に必要であることから制度化されたが、そんななか注目を浴びているのがタレントらの役員就任だ。

「不二家」には女優の酒井美紀(44)、不動産関連の「タスキ」と学習塾を運営する「リソー教育」はタレントのいとうまい子(57)。これらに続き、今年は元おニャン子クラブの生稲晃子(54)である。

 もっとも、彼女の場合、今年の参院選の自民党候補(東京選挙区)になったことのほうが先に話題となった。

「生稲さんに渡りをつけたのは、萩生田光一経産大臣ら自民党安倍派の重鎮たちです。元アイドルという知名度に加えて諮問機関『働き方改革実現会議』の民間議員や厚労省の『がん対策推進企業アクション』のアドバイザリーボードメンバーといった経歴を買われてのことでした」(政治部記者)

 その生稲に2本目の白羽の矢を立てたのが、美容室「TAYA」をチェーン展開する「田谷」だ。6月21日に予定されている株主総会で生稲は選ばれ、正式に社外取締役に就任するという。

「再建は容易ではない」

 役員候補となった理由はやっぱり公職を歴任したことのようで、

〈国が推進する様々なプロジェクトへの参画やカウンセラー資格を活かして幅広く活動をされており、これらの経験と優れた人格、見識を有している〉

 とある。だが、「田谷」の社外取締役は参院議員以上に大変かもしれない。

「同社は前回の東京オリンピックの年(1964年)に創業した美容業界の老舗ですが、後発のチェーンに押され、ここ10年で売り上げが約半分に減ってしまいました。また、最終利益も2021年度まで9年連続で赤字。本年度は資産譲渡で黒字となったものの、次の決算でもまた最終赤字を見込んでいる。プロの経営者でも再建は容易ではありません」(美容業界紙記者)

 また、取締役会への出席も果たせるのか気になる。

 そこで、田谷に聞くと、

「(公務が重なった場合)100%の出席は難しいかもしれませんが、なるべく役員会には出ていただきたい」(IR担当者)

「週刊新潮」2022年6月9日号 掲載