アソシエイトからスタート

 米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備理事会)でも想像できなかった超ハイレベルのインフレ。ただでさえ物価高のニューヨークで、現地在住者は特に裕福でない限り、サバイブするには「お金」の大事さを思い知らされる日々のようだ。弁護士として活動を始めた小室圭さん眞子さん夫妻も例外ではない。アメリカの弁護士というと、下はクライアントを探し求めて汲々としているタイプから、上は高額訴訟で驚くような大金を手にしているようなタイプまで、小説や映画ではよく見かけるが、実際はどうなのか。

 米国のビジネス弁護士は、パートナーとアソシエイトに分けられる。パートナーは共同経営者、アソシエイトはパートナーをサポートする立場だ。圭さんは今年、まずはアソシエイトから弁護士としてのキャリアをスタートさせることになる。

「米国のビジネス弁護士は通常、タイムチャージでクライアントに報酬を請求します。案件に費やした実作業時間を6分単位で記録して、1時間あたり700ドルとか1000ドルといった報酬基準を掛け合わせた額を顧客に請求するといったシステムです」

 と、NY州弁護士資格をもつ日本人弁護士。

事務所側の期待の高さ

「しかし新人弁護士は報酬基準が低額なので、売上に貢献するには、自前でクライアントを抱えているパートナー弁護士から割り当ててもらった案件について、ひたすら長時間労働に励むしかありません。事務所から課される“ノルマ”をこなすために走り続ける日々を送るのが普通で、深夜12時からが仕事の本番という生活も当たり前です。こうした時代を切り抜けて実績を上げ、パートナーに昇格すれば、年収が億単位も夢ではなくなるわけです」(同)

 ハードボイルド小説家のレイモンド・チャンドラーではないが、何よりもまずタフでなければ生きていけないということのようだ。もちろん、新規クライアントを自ら連れてくることで、インセンティブを得るということも十分にあり得る。

「圭さんを雇用している法律事務所は、彼が司法試験に2度不合格となっても契約を続けていました。合格は確実だとみなしていたとしても、生き馬の目を抜くニューヨークでそのような契約を続けていたということは、彼のポテンシャルに期待しての雇用だったことがよくわかりますね」

 と、担当記者。

現地領事館によるサポートが

 ポテンシャルとはつまり、新規クライアントを引っ張ってくる力を指す。

「圭さんに対する評価は日本ではさまざまありました。しかし、皇室とつながっていることが付加価値となって、米国における圭さんの評価は悪くない、というか良い。日系企業も興味を示しているようで、ある意味でニューヨークの顧問先の地殻変動が起こっていると評する人もいますね」(同)

 物価のみならず、圭さん人気も高まっていると言うと大仰な感じがするが、

「そうやって新規開拓を続けて実績を積み重ねていると、それほど時間を経ずにパートナーに昇格することになります。そのことも踏まえて雇用主側が投資している可能性もありますね。さすがに1年目から手取り1億円というのは難しいかもしれませんが、遅かれ早かれそのくらいのレベルとなる可能性があります」(同)

 そうなればなおさら「セレブ」として認識される可能性も高まるのだが、それはまた別のリスク要因ともなりうる。現地領事館が警戒度やサポートをさらに高める可能性もあるだろう。

デイリー新潮編集部