11月4日、岡山県赤磐市の行本恭庸(ゆくもとやすのぶ)氏(73)が、大腸がん検診で訪れた熊山保健福祉総合センターで、マスク着用を求めた女性職員に対して「この若造が!」と恫喝した。実は、今年1月にも似たような問題を起こし、9月に議員辞職勧告決議案が可決されていた。1日付で市議を辞職した行本氏、一体、どういう人物なのか。

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 保健福祉総合センターの受付女性からマスクの着用を求められると、行本市議は「検体を出すだけなのにマスクは必要ない」と大声で怒鳴り散らし、便が入った検体袋を近くの机に投げつけたという。

 その後、車へマスクを取りに戻り、今度は着用して女性職員の前に現れ、「この若造が!」と恫喝したのだ。

 この威圧的な言動が報じられると、ネット上では非難の声が殺到した。

《正直「マスクハラスメントだな」と思うこともあるけど、マスクが踏み絵になって不真面目で自分の主張をゆずらない思いやりの無い人があぶり出されてますね。
威力業務妨害じゃないの?》

《マスク着用問題というか、人に指示されることが嫌いな典型的な世代のおじいさんが、当たり前のことを指摘されて、人に頭を下げたことが無いか、頭を下げたら負けという勘違いから、大騒ぎしたという話ですよね。》

障害者も恫喝

 行本市議は、今年1月にも問題を起こしている。障害者に就労機会を提供する福祉事業所の女性職員とその利用者5人が市役所3階のトイレを清掃していたところ、「議会や委員会がある時はすぐ使えるよう考えられえ」と恫喝し、障害者を怯えさせたのだった。

 それ以来、事業所は議会や委員会のある日はトイレ清掃を取り止め、その影響でそれまで働いていた人たちの仕事も減った。事態を重く見た市議会は議員辞職勧告決議案を提出、9月に可決されている。

「辞職勧告決議案が可決された後も、彼はまったく反省してなかったですね」

 そう語るのは、ある赤磐市議だ。

「彼は、岡山工業高校を卒業して、地元の建設会社に勤務。その後、熊山町議選に出馬して、町議を5期務め、在任中は町議会の議長もやっています」

 熊山町は2005年、他の赤磐郡3町と合併して赤磐市になった。行本氏は05年4月の赤磐市議選に出馬するも、落選。09年の市議選で初当選を果たし、3期目だった。一貫して無所属だ。

「彼は頭は切れるんですが、子どもみたいなところがあるんです。いつも威張っていて、短気で、集団の中で自分が中心でないと気が済まない人なんです。意見が通らないと、すぐカッとなって怒鳴り散らすんです」(同)

ワシはもう帰る

 市議のかたわら、地元の猟友会にも所属していたという。

「猟友会ではイノシシの駆除をしていますが、猟友仲間からも嫌われていますね。理由は、やっぱり短気だからでしょうね。なので一匹狼なんですよ」

 行本氏は2期目の時、議会で監査委員を務めていたが、

「監査委員は、予算の審査を行うのが仕事です。ところが審査する前から、理由もなく予算そのものを反対するのです。それで私が、『最初から予算に反対するのは、監査委員として不適格。辞めてもらう』と言ったら、すごく怒って、危うく取っ組み合いの喧嘩になるところでした。一事が万事この調子、同じようなことはこれまで何度もありました。今回の件では、辞職勧告ではなく、懲罰にかけるべきですね」(同)

 他の市議も呆れてこういう。

「3期目に入ってから、言動がこれまで以上に酷くなりました。議長に対しても、『おめえはなあ』という感じで、遠慮はナシ。我が道を行くですね。現在、産業建設委員会に所属していますが、委員会でも自分の意見が通らないと、『ワシはもう帰る』と言って出ていくことも。もう、空いた口が塞がりませんよ」

 家庭内では、こんなエピソードもある。

「かなり昔の話ですが、行本家は仏教を信仰していて、仏壇には先祖の位牌が祀ってありました。ところが、彼がこれからは神道じゃあと言い出して、位牌を捨ててしまったそうです。それが原因で父親と大喧嘩になったとか」(同)

 今回の問題でも、まったく反省の色がなかったそうだ。

「『ワシはワシの好きなようにやるんじゃ』という人ですからね、反省しないのもある意味当然でしょう。来年4月で任期満了ですが、自身は出馬せず、トラック運転手をしている息子を立候補させるようです。もう、新しい選挙用の看板も作っていますよ」(同)

 こんな傍若無人な人が市議だなんて……。

週刊新潮WEB取材班

2020年12月2日 掲載