現職の4選はない

 任期満了に伴う今夏の横浜市長選は、8月22日投票を軸に検討されている。林文子市長(74)は進退を明らかにしていないが、4選出馬に意欲を隠さないという。市長選出馬には地元を牛耳る菅義偉首相(72)のお墨付きを得ないことには始まらないのだが、首相の意中の人として、三原じゅん子厚労副大臣(56)の名が上がっているという。

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 政治部デスクに聞くと、

「林さんは出馬の意思を明らかにはしていませんが、出る気満々です。横浜市長というのは自分のやりたいようにやれるので、とてもおいしいポジションと言われています」

 コロナ対策で、黒岩祐治神奈川県知事(66)の存在感が良くも悪くも際立っているわけだが、

「確かにコロナでは目立っていますが、県を動かしているのは川崎、相模原、横浜市でありそのトップ。有事でなければ知事は正直やることはないんですよ」

 林市長に大きなミスや欠点があったというわけではない。本人にやる気があって対抗馬がいなければ、与党から公認なり推薦をもらって、選挙をやる前から当選が決まっている状況になりそうなものだが、コトはそう単純ではないらしい。

「自民というか菅さんとしても、林さんの4選はないというスタンスで一致しているようです。そういう話が割りと広まっていて、例えば元県知事で維新所属の松沢成文参院議員がその気を見せたりもしているのですが、彼の場合は後援会が反対していると聞いています。それで、名前が上がっているのが三原さん。菅さんも彼女ならということで、内々にお墨付きを与えているみたいです」

 三原氏は厚労副大臣として菅内閣の一員で、総理肝煎りの「不妊治療の保険適用」を任される身だ。

市長のポストに大変興味がある

 この政策は高額な不妊治療について、費用面の負担を軽くしようというもので、不妊治療の経験者である三原氏が菅首相に提案したとされ、総裁選から訴えの柱となった。コロナ禍が落ち着いていれば、新政権の目玉としてもっと話題となっていたはずだ。

 三原氏の心中はどうなのか。取材する記者にそれを斟酌してもらうと、

「彼女はまだ大臣を経験していませんからそれはやってみたいという気持ちはあるし、女性の積極登用という方針もありますから、このまま永田町にいれば遅かれ早かれ大臣に就くだろうとは思います。しかし、だからと言ってこのまま参院議員を続けたいかというと必ずしもそうではなく、横浜市長のポストに大変興味がある。菅さんが出馬にお墨付きを与えたのが事実だとしたら、三原さんの思いを菅さんがくんでのことだと思いますよ」

 いったん国政から離れ、首長を経験してからでも大臣をやる機会はあると見ているのだろう。

 とはいえ、三原氏は言うまでもなく菅内閣の一員で、市長選に出馬するためには副大臣を辞任しなければならない。そこに問題はないのかと指摘する声もあるようだ。

「そのことについては、菅さんが気になることを周辺に漏らしているそうです。曰く、“その頃にはまた別の立場っていうこともあるじゃないか”と。そう言ってニヤリとしたという話もあります。要するに、解散総選挙のことを匂わせたわけです」

 投票予定日の8月22日は、開催されているなら東京五輪が終わり、パラリンピックの開幕を待つ時期になる。ちなみに、自民党総裁、衆院議員の任期はそれぞれ9月末と10月21日までだ。

障壁はなさそうだが

 先のデスクにこの件について聞いてみると、

「いかにも菅さんらしいですね。官房長官時代はそういうシーンがよくありました。ただ、8月22日までに解散しているかというと、うーん、どうなんでしょう」

 と言って、こう続ける。

「創価学会・公明党の要望を受けて、7月4日投開票の都議選から解散総選挙の時期はできるだけ離すのが基本線ですし、オリパラの最中にその間隙を縫ってというのも無理筋な感じがします。予定通り7月22日に東京五輪が始まって9月5日のパラリンピック閉会式を見届けるまで、解散に向けた動きは小休止するだろうと踏んでいますし、三原さんは参院議員で解散には関係ないとツッパねようと思えば可能。コロナ対策を担当する厚労省とはいえ副大臣で、ワクチンについては河野太郎担当大臣がいますから、市長選出馬のために閣外に出てもそんなに批判は受けないような感じもします」

 三原横浜市長が現実味を帯びてきた――。

デイリー新潮取材班

2021年4月19日 掲載