まさかご本人は“最後の戦い”と位置付けているわけではあるまいが、今回の力の入り方はこれまでとは段違い。小池百合子都知事(69)が“娘”の当選に向けて血道を上げているのだ。

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 実に5年ぶりのことである。かつて「希望の党」を立ち上げて惨敗して以来、久しぶりに国政選挙に関する街頭演説を行った小池氏。

 6月18日、新宿駅前。ファーストの会から東京選挙区で出馬する荒木千陽(ちはる)氏(40)の応援に駆け付けると、

「荒木さんは私の長年の相棒であります」

「ぜひとも国政においての伝道師になってもらいたい」

 そう熱く訴えたのだ。

「荒木さんにとって、何にも代えがたい支援だと思います」

 と、政治部デスクが解説する。

「定数6の東京選挙区の中で荒木さんは最後の6番目の椅子を争っている状況です。ジリジリと支持を上げていますが、やはり荒木さんの知名度は決して高いとはいえず、苦しい戦いとなりそうです」

 だが今回、小池氏にとってはどうしても“負けられない戦い”だという。

「苦労させた“娘”を国政に」

 荒木氏は衆院議員時代の小池氏の秘書を6年務め、一時は同居するほど、小池氏の絶大な信頼を得ている。都民ファーストの会の中でも小池氏と対等に話せるのは荒木氏だけ。その小池氏の胸中について、

「今年で70歳を迎える小池さんからすれば、親子以上の関係にある荒木さんに将来の道を作ってあげたいという思いなんです。自分が国政に戻りたいとかそういう野心は置いておいて、苦労させた“娘”をとにかく国政に送り出したいということでしょう」(同)

小池劇場再び?

 実は小池氏はすでに今回の演説前から動いていた。

 都政関係者によれば、

「5月末くらいから荒木さんと二人三脚で活動を始めていました。例えば、都民ファの都議が地元で開く集会です。そういうところに小池さんがサプライズで現れ、ちょっとした演説をしていく。するとその後に荒木さんが登場という流れで、集会が盛り上がるんです」

 それにより都民ファの支持層を着実に固めた。

 さらに、

「荒木さんは地道に団体回りをしています。中には自民党色の強い団体からも推薦をもらえている」(都民ファ都議)

 荒木氏に聞くと、

「都議の集会は一緒に回っています。(小池氏の選挙への思い入れも)強いですよ」

 小池氏の応援といえば、思い出されるのは昨年の都議選最終日。退院直後の小池氏が突如として、候補者の激励に回り、劣勢だった都民ファーストの会に自民党から票が流れた。結果的に善戦へと導いた小池氏の「風を読む力」に各党は驚愕したのだった。

 その再現を狙うべく、

「要所で一緒に演説ができるように調整しています。小池さんとのツーショットをどれだけ見せられるかが、勝負の分かれ目になるでしょう。ライバルはれいわ新選組の山本太郎氏と日本維新の会の海老沢由紀氏。この三人で最後の一議席を取り合うことになります」(先のデスク)

 新選組の筆頭格を奈落の底へと突き落とせるか。「女帝」の真骨頂である。

「週刊新潮」2022年6月30日号 掲載