2年連続Bクラスが確定した巨人。山口寿一オーナーの“意味深発言”もあって、原辰徳監督(65)が今季で辞任するとの見方が強まってきた。では、次は誰に? ここに来て候補がようやく絞り込まれてきたという。原政権を支えてきた最側近か、それとも、原監督に楯突いてから冷遇されてきた“あの男”かーー。

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原監督が珍しくファンに謝った

「やっぱり、ファンの方には大変申し訳ないと。この一心ですね」

 原監督は、9月30日、中日に敗れて2年連続Bクラスが確定した後、報道陣に向かってこう述べた。番記者は「シーズンが終わってない段階で原さんが謝罪するのは珍しい」と話す。

「もちろん、契約を盾にまだしがみつこうとしているという見方もなくはありませんが、やはりあの“意味深発言”以降、大分、追い込まれている感があります」

 29日、都内で開かれたオーナー会議後、山口寿一オーナーから飛び出した発言である。「来季のことは真剣に考えなきゃいけない」。原監督の去就について問われた山口氏はこう述べ、来季まで残っている契約についても、「どう考えるかということも含めて、真剣に考える必要があるだろうという考えですね」と、解任も含めて検討しているかのような言い方をした。

阿部氏の“匂わせ発言”

 では次は誰になる? 番記者らの間で、“ネクスト原”として有力視されてきたのは、原氏を最側近として支えてきた阿部慎之助ヘッドコーチ(44)だった。だが、ここに来て疑問視する声も出始めているという。阿部氏が“匂わせ”発言をし始めたからだ。

 9月26日の試合後、阿部氏はチームの状況について聞かれ、

「危機的状況になってしまった。結果が全ての世界なので責任は感じていますよ」

 と語った。番記者が続ける。

「これもまた阿部さんからはこれまで出てこなかった言い方で、『一緒に辞める気か?』とざわつきました。そもそもチーム内でも、阿部さんが監督になっても変わり映えしないと反発する声は大きい。もちろん、いつかは監督になるべき指導者ですが、ここは一回休むべきだという声が強まっています」

 そんな中、急浮上してきたのが、現政権下で原監督と「最も距離がある」と言われている桑田真澄・ファーム総監督(55)なのである。

「当初、山口オーナーは外様OBの工藤公康氏を推していましたが、家族の健康問題で難しそうな気配です。高橋由伸・元監督の再登板も囁かれてはいますが、3年で解任されたペケがついている身。ここで再度ペケが重なってしまったら短期政権になりかねず、もう二度と使えなくなってしまう。今の危機的なチーム状況を理解している人物としても、桑田さんに期待する声は大きいのです」(巨人軍関係者)

オレ、外されているから

 原監督と桑田氏はいまや完全に「犬猿の仲」になっているという。桑田氏は、昨季は投手ヘッドコーチとしてベンチに入っていたが、大勢の起用方法をめぐって原監督と激しく衝突。昨季の9月には、記者を集めて「批判演説」まで行っていた。桑田氏はこの時、辞任する腹づもりだったのだが、

「監督候補としてチームに残しておきたかったフロントが焦って引き止めた。原監督も空気を察して引き止めはしたものの、『ファーム総監督』という役職に遠ざけた」(同)

 だが、原監督はそれだけで済まさず、最近は“完全無視”の構えだという。

「ファーム総監督の仕事は人材育成で、次世代の戦力獲得も含まれているのですが、桑田さんは球団内で開かれるスカウト会議に呼ばれないこともある。春・夏と甲子園に行ってスカウトと一緒に視察もしているのに。本人も『会議の主要メンバーから外されていますから』と自虐的に話していている。原さんとは相当距離が出来てしまったようで、グラウンドに原さんが現れると消えてしまいます」(同)

 そんな距離感が、桑田監督実現の大きな壁になっているとも言う。

「原さんが潔く全て辞めずに、GMの座には居座り続けようとした場合、桑田さんの目はなくなる。そうなった時は、やっぱり阿部さんという話になってしまう」(前出・番記者)

 ペナントレース中は存在感のなかった巨人だが、監督人事からは目が離せない展開になってきた。

デイリー新潮編集部