ホリエモンと球団設立といえば、2004年のプロ野球「新規参入」騒動を思い出す。あれから17年。九州の独立リーグに念願の参入手前までこぎ着けたが、そこはやっぱりホリエモン。あこぎな商法に地元からは、悲憤の声が上がっている。

 ***

 堀江貴文氏が球団設立を発表したのは今年5月のことだった。曰く、北九州市に本拠を置く「福岡北九州フェニックス」を設立。現在2チームが加盟する独立リーグ「九州アジアリーグ」への加盟を目指すという。

 会見では、野球ファン層の拡大や、NPBで戦力外通告を受けた選手の受け入れなどを提案。「将来的にはメジャーリーグに対抗する、アジアのリーグ構築の基礎にしたい」と、壮大な夢を語ってのけた。リーグを運営する「九州アジアプロ野球機構」によれば、

「既に申請書類はいただいていて審査中。結果は近いうちに発表されます」

 ところが、だ。

「地元の財界や球界関係者は呆れかえっていますよ」

 と言うのは、福岡のさる球界関係者。

「今夏以来、球団のスタッフがスポンサー集めなどで地元の経済人や野球関係者のところを回っていた。でも、彼らと面談した人が言うには、何だか大学のサークルを立ち上げるようなノリだった、と。堀江さんのオンラインサロンのメンバーが代表や役員になっているようで、まだ若いし礼儀も知らない。“今から監督打診や選手集めをしなくちゃいけないんですよ”と言うだけで、長期的に球団をどう展開していくかというビジョンが見えてこない」

高級鮨15万円

 そんな彼らの監督候補筆頭は、福岡育ちの元日ハム・新庄剛志。しかし、

「申し込んでも歯牙にもかけられなかったとか」(同)

 地元の財界関係者も言う。

「球団を地元に根付かせたいのなら、大手だけでなく、中堅企業をひとつひとつ回って人間関係を築いたり、少年野球やリトルリーグなどの子どもたちと触れ合ってファンの開拓をしていかなくてはいけない。でも、そうしたことにほとんど興味を持たず、監督は誰、選手は誰といった話ばかりだったとか」

 そして8月、周囲を困惑させる決定的な事態が起きたそうだ。

「突然、関係者に一斉メールで、堀江のイベントに参加しませんか、と案内が送られてきたそうです。約3千円の特別講演会の誘いはまだしも、『堀江や女子プロと回るゴルフコンペ』が5万8千円、『10人限定、堀江とサシで高級鮨を食べる食事会』に至っては15万円だとか。こんなものを前触れもなく送りつけられたら、誰だって“自分の金儲けのためにこっちに来たのか”と思いますよね。もう彼らとは仕事しない、という関係者はたくさんいますよ」

 思い起こせば、かつての新規参入時も尊大な態度が反発を招き、楽天にその椅子を奪われたものだが、今回もいかにも彼らしい展開なのである。

 その堀江氏に本件について聞いてみると、回答の代わりに、web上で「(ゴルフコンペは)有力スポンサーさんとの出会いの場をセットするためにやっているので、べつに批判されるようなことでもない」等々反論した。

 あくまで上から目線。地元の怒りの本質がわかっていないわけで、こちらもやっぱり彼らしい。

「今、球団は監督候補として、元ソフトバンクの川崎宗則選手と交渉しています。その結果はともかく、参入前からこれでは、すぐに自然消滅するのでは」(前出・財界関係者)

 今度も墓穴をホリエモン。

「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載