10月8〜10日に静岡・東名CCで行われた女子ツアー「スタンレーレディス」は稀に見る大混戦だった。

 なんと4人によるプレーオフに突入したのだ。

 その前に、最終日のスタートを振り返ろう。最終組の3人は、賞金ランキング2位の小祝さくら(23)、今季での勇退が報じられたプロ野球ソフトバンクホークス工藤公康監督の長女でツアー初優勝を狙う工藤遥加(28)、そして茨城・明秀学園日立高3年の佐藤心結(みゆ)(18)。誰が勝ってもニュースになるメンツだった。ただ、ホールが進むと、小祝と工藤のスコアは伸び悩み、V争いから遠ざかった。

 代わりに頭角を現したのは、その一つ前の組だった。前週の日本女子オープン2位で8日に20歳の誕生日を迎えたばかりの西郷真央、直近3戦2勝と絶好調の西村優菜(21)、そして形容詞はいらないだろう、かの渋野日向子(22)である。

 この3人、いずれも首位に1打差で最終18番を迎えたのである。しかも、グリーンでは3人ともにバーディーを狙えるところまで肉薄。だが、あいにくバーディーを奪いプレーオフに進んだのは渋野一人だった。

テレビ中継をなくした協会の思惑

 そのプレーオフだが、これまた魅力的な4人が名乗りを上げた。まず、アマの佐藤は、勝てば史上8人目のアマV達成。この日最少スコア65でジャンプアップしてきた木村彩子(25)も初優勝を目指す。そこにペ・ソンウ(27)が駆け込み、日韓対決の様相も加わった。

 結局、プレーオフ1ホール目は唯一人バーディーを獲れなかった木村が脱落。2ホール目は三つ巴のバーディー対決を渋野が制して嬉し涙を流した。実に1年11カ月ぶりの勝利だった。

 さて、かくも白熱した一戦なのに、残念ながらテレビによる生中継は行われず。有料のネット生中継と、BS11、CSスカイAの録画でしか観戦できなかった。

「2019年まではテレビ東京系列が生中継していたんですけどね」

 とゴルフ記者が語る。

「女子プロゴルフ協会は今、各テレビ局が保持していた放映権を協会に帰属させようと躍起になっているんです。その放映権をDAZNに売れば莫大な収益が得られますから。テレ東が手を引いたのもその一環です」

 協会vs.テレビ局も白熱。

「週刊新潮」2021年10月21日号 掲載