2024年の箱根駅伝は第100回大会。これを記念して、この年は全国の大学に門戸を開くのだとか。

 今まで“全国”じゃなかったの?という声が聞こえてくるが、主催するのは、関東学生陸上競技連盟と読売新聞社。ゆえに、関東の大学しか出場できない。

 もっとも、関東以外の大学が出場資格を得たとしても、実際に箱根を走れるかというと、話は別だ。

「全国大会の出雲駅伝は5〜10キロ区間が6区、全日本駅伝は10〜20キロ区間が8区しかないのですが……」

 とスポーツ紙記者が語る。

「箱根は20キロ超の区間が10区もある。つまり、長い距離を走れる選手を大勢育てないといけない。しかも、有望な高校生はほぼ全員が箱根を目指して関東の大学に進学している。ですから、関東以外の大学が第100回の予選会を勝ち上がるのは不可能でしょう」

中堅〜下位の大学が猛反対

 じゃあ何も変わらないじゃないか、と思ったら、そうでもないらしい。

「実は、“全国化”の議論は以前から燻っていたのですが、中堅〜下位の大学が猛反対していました。現状でも出るのが大変なのに、ライバルがこれ以上増えては堪りませんから」

 彼らにとって箱根は単なるスポーツ大会ではない。6時間超の全国中継が2日間、視聴率は20〜30%に及び、ひたすら大学名が連呼される。そして優勝争いのみならず、シード権争いや繰り上げスタートの悲哀など、どの順位でもテレビに映るチャンスがある。これほど優れた宣伝媒体はない。

「そんな反対勢力も、“第100回は特別だから”と言われれば文句は言えない。彼らの手前、101回以降の全国化は“検討を重ねる”と述べるに止まっていますが、主催者側はなし崩しに定着させる魂胆です」

DAZNが参入?

 そうなれば、いずれ関東以外の大学も力をつけ、箱根を走るようになる。すると視聴率はさらに跳ね上がる。そして、優勝校は晴れて日本一の称号を得る。優勝常連校の青学大・原晋監督は、全国化を歓迎。瀬古利彦・日本陸連副会長も恒久的な全国化を求めている。

 そして、ここにもこの流れを歓迎し、舌なめずりしているヒトたちが。

「有料スポーツ配信最大手のDAZNです。箱根は読売グループのドル箱コンテンツですが、経営状況次第では放映権売却の可能性も皆無とはいえないでしょう」

「週刊新潮」2022年7月14日号 掲載