2年連続で球宴出場を果たした大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(28)。本人の身辺は目下、風雲急を告げている。今シーズン中にも、慣れ親しんだアナハイムから去ることになるかもしれないのだ。

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 エンゼルスはア・リーグ西地区4位(7月21日現在)と低迷。プレーオフ進出は極めて厳しい状況で、そこに球団の懐事情も加わり、大谷の処遇が焦点になっている。現地ジャーナリストが言う。

「大谷は、今季が2年850万ドルの契約最終年。来季も球団に保有権はありますが、2023年オフにはFA権を取得します」

 となれば、ヤンキースをはじめメッツ、ドジャースといった資金力の豊富なチームから引く手あまたとなるのは疑いない。

「エンゼルスとしては、FA権を得る前に大谷と高額契約を結ばねばなりません。現在、メジャーの最高年俸はメッツのM・シャーザー投手の4333万ドル(約59億円)。先月中旬には“開幕前に大谷の代理人と球団側が非公式に話し合い、球団はシャーザーを超える年俸が必要だと理解しつつも交渉は進まなかった”とも報じられました」(同)

 それもむべなるかなで、

「チームは、12年総額4億2650万ドルの契約を結んだトラウト外野手と、7年総額2億4500万ドルのレンドン内野手を抱えている。年俸換算ではそれぞれメジャー2、3位で、これに大谷がシャーザー級の契約となれば、3人で球団の年俸総額の半分以上を占めてしまいます」(同)

 つまりは大谷を放出し、若手を5人ほど迎えて課題の投手力を補強する方が、理にかなっているわけだ。

「強豪チームで二刀流は想定されていない」

 トレード期限は8月2日(現地時間)。当の大谷も、

「エンゼルスには恩義を感じつつも、18年の入団以来、全シーズン負け越していることもあり、昨年9月には『ヒリヒリする9月を過ごしたい』と、優勝争いができるチームで戦うことに意欲を見せてきました」(同)

 とはいえ、はたして移籍先でも二刀流は発揮できるのか。メジャーリーグアナリストの福島良一氏は、

「ヤンキースやメッツ、ドジャースなど強いチームでは、先発6人でローテーションを回していたエンゼルスとは異なり、5人体制が基本。大谷選手がその枠に入り、中4日で回れるかどうか。打者としても、DH枠は彼が独占するのではなく他の主力選手を休ませるために使われ、その間は守備につく必要がある。現状で、強豪チームで二刀流は想定されていないのが実情です」

NYの球団であれば…

 その一方で、

「NYはショービジネスの街。大谷というエンターテインメント性の高い唯一無二の存在は、各球団にとって大いに魅力でしょう」(同)

 現場とは異なる思惑が球団側にはあるというのだ。現地で取材する「Full−Count」編集部の小谷真弥氏も、

「大谷選手の活躍を目の当たりにして、二刀流を戦力と認めないチームはありません。例えばヤンキースでは、強打者のジャッジ、スタントンらがDHを併用しながら守備についている。エンゼルスでプホルスが一塁を守ったように、大谷選手が加入したとしても、あつれきは生じないと思います」

 ピンストライプのユニフォームで投げ打つ姿も、あながち夢ではないのだ。

「週刊新潮」2022年7月21日号 掲載