冷え込む日韓関係にさらに“冷や水”を浴びせる人事に違いない。知日派を自称する新駐日韓国大使の姜昌一(カンチャンイル)氏(69)が来日した。しかし、この人物、過去にトンデモ反日発言を連発。さらに厄介なのはその二枚舌、三枚舌ぶりなのだという。

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「両国の関係は厳しい状況にあるが、友好や協力の増進のために最善を尽くしたい」

 日本へ到着した姜氏は1月22日、成田空港でそう意気込みを語った。

 姜氏は韓国で“知日派”として知られている。1983年に東京大学へ留学し、東洋史を専攻、博士課程まで進んだ。2004年に国会議員に当選すると、17年からは韓日議員連盟の会長として、日本の国会議員らと交流してきた。しかし、

「彼を“日韓関係のパイプ役に”と考えている外務省職員なんていませんよ」

 とは日韓関係に詳しいジャーナリスト。

「他の韓国の議員に比べれば日本に知り合いが多い程度です。そもそも駐日大使になる人物は日本に明るくて当たり前なんです。むしろ問題視されているのは、彼の過去の発言やキャリアでしょう」

 例えば昨年10月、韓国政府の天皇陛下への呼称に関し、「日王と呼ぼう」と格下げの表現にすべきだと発言。さらに、11年には北方領土の国後島を訪問した後に、「ロシアの実効支配を確認できた」と述べるなど、日本人の感情を逆撫でするような発言を繰り返してきたのだ。

 実際の人柄について、姜氏と酒席を共にしたことのある日本の政界関係者は、こう証言する。

「酒好きの陽気なおじさんですよ。一度、日本の東洋美人という日本酒をプレゼントしたら喜んでいました。日本語はペラペラで、相手が日本人だと親日ぶりをアピールします。私の前でも“北方領土は日本のもの”と言っていましたから」

「メーリングリストに…」

 先のジャーナリストも同調する。

「ある日の宴会で“今日は後の予定があるので”と早々に帰ると、出席者は一様に“相変わらずだなあ”と話していました。要は、彼はいつも自分の言いたいことだけを言ったら、すぐに帰ってしまう。名刺交換をすると、その後、彼のメーリングリストに登録され、講演などの彼に関するお知らせが一方的に送られてくるようになりました」

 自己顕示欲が強く、相手によって言うことをコロコロ変える二枚舌、三枚舌の持ち主のようなのだ。

 産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏は、

「彼は上昇志向が強い人で、今回の大使就任も本人から青瓦台への売り込みがありました。今は日本の世論に好まれる方法を思案しているそうです」

 ただし、場合によって“使える”人物になり得るとも続ける。

「いろいろ問題があるにせよ、彼が韓国で“知日派”とされているのは事実です。つまり、彼が文在寅大統領に伝える日本の情報や意見は信憑性の高いものとして扱われます。日本政府や外務省がうまく彼に情報をインプットすれば、利用価値の高い大使となるのです」

 なるほど、日本こそ「舌」を使い分ければいい、というわけだ。

「週刊新潮」2021年2月4日号 掲載