交流戦の最終週を5勝1敗で終えた巨人。5月下旬から球団ワーストの13連敗を喫したものの、底を脱し、反攻の気配を見せつつある。この6試合の平均得点は5・7。貧打にあえいできた打線復調の要因に、クリーンアップを生かす1、2番の躍動があった。

 13連敗という前代未聞の泥沼から脱し、上昇への機運をつかんで交流戦を終えた。本拠地でのソフトバンク、ロッテとの6連戦は5勝1敗。この6試合中3試合が完封勝利と、投手陣の踏ん張りも要因の1つ。だが、その一方で1試合平均5・7得点と機能した打線の中で大きく変貌した数字があった。

 大型連敗中の総得点は29点で、1試合平均2・2得点。その中で、1、2番の出塁率は・211と上位で好機を築けない展開が続いていた。だが、最近6試合では、それが・440と倍以上に跳ね上がった。これまで幾度となく見られた走者なしで中軸に回るケースから、中軸が本来果たすべき役割を担えるようになったことで、打線が“線”となった。

 特に懸案だった“2番問題”が、解消の気配を見せている。開幕から計8人が務め「主力を前に置くことで流れが変わるように」(高橋監督)と、本来なら中軸を担う坂本勇を起用するなど、試行錯誤が続いた。だが、最近6試合は2年目の山本で固定。山本も粘りのある打席を見せ、期待に応えている。指揮官は「食らいついていくのはいいこと。本人にとっても、チームにとっても大きなチャンス」と一定の評価を与えている。

 攻撃の“形”ができれば、中軸の能力は高いだけに、自然と爆発力が生まれる。他球団のスコアラーは「まずは長野が復調してきたことが大きい」とし「2番も開幕前からずっと課題だった。そこに山本が出てきた。3、4、5番はもともと鉄板。巨人が本来の形に戻ってきたということ」とリーグ戦再開後の対戦に警戒心をあらわにした。

 開幕から65試合が経過し、貧打からの脱却に光を見いだした。だがその一方でこの日、大黒柱の阿部が右膝付近の故障で登録抹消となった。46試合で4番を務めた精神的支柱の痛恨の離脱。勢いを取り戻しつつある中で、どのような影響をもたらすのか。今後は打線全体の真価が問われる戦いになる。(デイリースポーツ・野畑圭司)