「広島1−0巨人」(12日、マツダスタジアム)

 最後の最後で、ついに王手をかけた。巨人・阿部が九回に「H」ランプをともし、通算2000安打まで残り1本。偉業を眼前とした。試合終了後、帰り際にバスの手前で足を止めた背番号10は「その前に勝てなかったことが悔しい。智之(菅野)が粘って粘って一生懸命投げていた」と、今季8度目の零封負けに唇をかんだ。

 3打席目までヒットが出ず、この日の最終打席となった九回1死走者なし。カウント0−1から薮田の高めに抜けたフォークを捉え、打球は左翼線にポトリと落ちた。通算1999安打目は、勝負を諦めない意地の一振りだった。球場は大きく沸き、高橋監督も「1本出たことでまた最後、雰囲気も変わってくれたかなと思います」と話した。

 偉業まで残り2本で臨んだ一戦。メモリアルの瞬間を見届けるべく、悠夫人ら家族も広島に駆けつけ、バックネット裏から声援を送った。記録達成は持ち越しとなり、勝利を届けることもできなかったが、家族の期待も背負ってバットを振った。

 たとえリーチをかけても「勝ちにつながる1本を」と常々語る阿部にとって、何よりも重要なのはチームの勝利。13日に勝てば、阪神、広島との2カード連続勝ち越しが決まる。「意識せず勝って、上位2チームに勝ち越して帰りたい」と力を込めた大黒柱。4番として勝利に導く一打をマツダスタジアムで放ち、いよいよ大記録を飾る。