「陸上・世界選手権」(12日、ロンドン競技場)

 男子400メートルリレー決勝が行われ、リオデジャネイロ五輪銀メダルの日本(多田修平、飯塚翔太、桐生祥秀、藤光謙司)は38秒04で3位となり、世界選手権では同種目初のメダルとなる銅メダルを獲得した。予選で精彩を欠いたアンカーのケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ=に代え、決勝ではベテランの藤光謙司(31)=ゼンリン=を起用。リオ銀メンバーを外す思い切った決断が、劇的な今大会日本勢メダル第1号につながった。

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 【朝原宣治の目】予選6番目からのメダルは、すべてがうまくいかないと難しいと思っていましたが、本当によくやりました。決勝で採ったのは、攻めのバトンリレー。予選では受け渡しで詰まっていたため、バトンをもらう距離を長くしました。下手をすればバトンが届かないリスクもありましたが、うまくいきました。

 アンカーを藤光選手に代えたのも、大きな決断でした。ただ、ケンブリッジ選手が日本選手権で足を痛めたため、7月の富士吉田市(山梨)の短距離合宿では桐生選手、藤光選手の走順で練習していました。いろいろな想定をしていたのも功を奏しました。

 藤光選手は自分が出る確率が低い中、大会最終日まで気持ちを切らさず準備していた。多田選手は慣れないコーナーでしたが、いい位置で流れを作りました。コーナーがきつくない9レーンだったのも良かったのでしょう。リオ五輪銀メダルメンバーから2人が入れ替わっての銅メダルは価値があります。

 日本の短距離はタイムが上がり、層も厚くなってきましたが、今後は強い選手とぶつかったときにどこまで走れるか。速さと強さはちょっと違う。世界と戦うためには、サニブラウン選手を筆頭に個人でしっかりと戦える力をつけていく必要があります。(08年北京五輪男子400メートルリレー銅メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)