「関屋記念・G3」(13日、新潟)

 まさに越後路ひとり旅だ−。好スタートから果敢に先手を奪った7番人気のマルターズアポジーが、まんまと逃げ切りV。七夕賞11着からの反撃を決めるとともに、2月の小倉大賞典以来、3つ目の重賞タイトルを奪取した。

 スタートで勝負アリだ。ゲートが開いた瞬間、ロケットスタートを決めたマルターズアポジー。久々のマイル戦も難なくクリアし、まんまと逃げ切った。

 「これがこの馬の持ち味」と武士沢は胸を張った。迷いなく先手を奪うと、無理に抑えることなく、そのまま強気に飛ばして行く。直線残り400メートルの標識を過ぎても、後続との差は詰まらない。最後まで脚色が鈍ることなく、悠々とゴールポストを駆け抜けた。

 16年10月(秋風S・中山=1着)以来のマイル参戦も、全く心配していなかった。「今まではコース形態やペースなどで我慢が利いていたけど、マイルで本領を発揮してくれたね」とにっこり。自身にとっては、08年新潟記念(アルコセニョーラ)以来となる新潟での重賞タイトル。「また新潟で重賞を勝ててうれしい」とさわやかな笑顔を見せた。

 前走の七夕賞は休み明けで、しかも序盤から他馬に絡まれ、11着に沈んだ。「前走時の変なイメージが馬に残ってなければ、と思っていたけど、よく覆してくれたね」と主戦は感心しきり。昨年暮れの有馬記念、さらにこの春の大阪杯と、2度のG1挑戦でキタサンブラックの執ようなマークを受け続けた経験が、ひと回りもふた回りも精神面での成長につながった。

 堀井師は「もともとマイルは最適だと思っていた。スピードが他の馬とは違うからね」と満足そう。今後については「もうマイル路線に切り替えたのだから」とキッパリ。次走はサマーマイルシリーズ最終戦の京成杯AH(9月10日・中山)が有力。強力な逃げが持ち味の個性派が、秋のマイル路線を盛り上げていく。