「プロレス・新日本」(10日、日本武道館)

 真夏のシングルリーグ戦「G1クライマックス」Aブロック最後の公式戦が行われ、棚橋弘至がオカダ・カズチカと引き分け、3年ぶりの優勝決定戦(12日、日本武道館)進出を決めた。

 新日本では15年ぶりの武道館大会に詰めかけた観衆は6180人。大会前までは勝ち点14の棚橋、同12のオカダ・カズチカとジェイ・ホワイトの3人に絞られていたが、セミファイナルでホワイトが敗れたことで脱落。メインイベントで棚橋が引き分け以上、オカダは勝利が突破の条件で激突した。

 オカダは棚橋の得意技ドラゴンスクリューなどで棚橋が古傷を抱える左足を集中攻撃。だが、棚橋もドラゴンスクリュー、テキサス四つ葉固めなどで反撃する。熱戦は終了が近づくにつれて激化。棚橋がツイストアンドシャウト3連発でチャンスをつかみ、得意のハイフライフローを放つもオカダのドロップキックに撃墜される。

 そこから棚橋はオカダが執ように繰り出すレインメーカーを何度もかわし、回転式レインメーカーを浴びるピンチもしのぐ。美しいブリッジの飛龍原爆固め、ハイフライフローでたたみ掛けたが決めきれず、2発目を放とうとしたところで引き分けを告げるゴングが鳴らされた。

 試合後のマイクアピールでは「まだAブロックを突破したばかり。だから一言だけ、ちょっくら優勝してきます」と控えめに宣言。インタビューでは「G1は17回目の出場だけど、充実感は一番です」と喜びをかみしめた。

 オカダには5月の対戦で敗れているが、G1での3度の対戦はすべて引き分け。「どんたく(5月の対戦)と変わってないようだったら、何のために練習して、何のために…。でも、今日というか今シリーズは心と体と技がそろいました」と手応えを感じていた。

 満身創痍(そうい)で近年は欠場を繰り返すなど苦しんだエースは、「棚橋もう無理しなくていいよと言われて、気持ちばかり焦って、そんな体でも、オレのために一生懸命動こうとしてくれて。だから一回この体を受け入れて、できる技で、できる戦略で今の棚橋弘至で戦えばいいんだと。だから、焦りもないし、使える技も限られるかも知れないけど、自分の思い描く戦いができている。そういう意味での充実感です」と悟りの境地を口にした。

 そして、決戦へ向けて「棚橋ご苦労さんという空気が出てる。俺の夢はまだ続いているから!」と健在をアピールすることを誓って去っていった。