「阪神3−7DeNA」(1日、甲子園球場)

 白球が遠く、遠く飛んでいく。マウンドの阪神・西勇は腰に手を当て、見上げることしかできない。1試合4被弾は移籍後初の屈辱。DeNA・今永とのエース対決で、今季ワーストの5失点KO、3敗目。試合後は悔しさを隠しきれず、無言でグラウンドを後にした。

 リズムに乗れない投球。象徴的だったのは五回だ。同点に追い付いた直後のマウンド。1死走者なしの場面で柴田に、この日二つ目の死球を与えた。2ストライクからの失投。さらに続くソトの打席では、一塁にけん制で悪送球。失策で一気に三塁まで進まれる。

 ソトは空振り三振に仕留めたが、4番・佐野との対戦。フルカウントから6球目、144キロのシュートが高く浮いた。左翼ポール直撃の2ラン被弾。引き戻した流れを再び手放す内容だった。チームは引き分けを挟んで連敗中。勝ちたいという強い気持ちが、この日は力みに変わった。

 「五つの初」が敗戦に直結した。初回、ソトに浴びた先制アーチは、今季初の初回失点。続く佐野に与えた死球、けん制悪送球による失策も今季初だ。複数被弾も同様だが、大和、宮崎を含む1試合4被弾は、移籍後初の屈辱。オリックス在籍時の15年9月5日・日本ハム戦以来だった。

 チームとしては10年・下柳氏以来の記録。5失点で登板7試合目にして今季初めて、クオリティースタート(6回自責3点以内)に失敗した。矢野監督は「一年間、ずっとっていうのはなかなかね」と乱調を責めず、変わらぬ信頼を口にした。

 「経験がある投手なので、西に任せています」。DeNAには今季2敗目で、92球での降板は今季最少。7月18日・中日戦での完投など、登板4試合連続で100球を超えていた。疲労が重なる夏場。正念場を迎えているが、唯一無二の存在でもある。怒りと反省を糧に1週間後、再びリベンジのマウンドに立つ。