阪神、オリックスで監督を務めたデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が、球界の話題を深掘りする「岡田辞典」−。今回は阪神で新たに近本光司外野手が就任した選手会長の役割について語った。阪神の選手会長時代には施設面の改善に取り組み、日本プロ野球選手会の第3代会長時代にはFA権の設立に尽力した岡田氏。経営側と現場のパイプ役として重要なのは、プレーヤーとしての“成積”だと説いた。

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 阪神は近本が新たに選手会長に就任することが決まったな。俺自身も現役時代にチームの選手会長をやらせてもらって、12球団全体(現・労組日本プロ野球選手会)の会長も務めさせてもらった。今はキャプテンと分業制を敷くチームが多いから、具体的に何をやるかというのは目に見えづらい部分があるけど、一番の仕事は球団と現場のパイプ役やろな。

 特に施設面であったり、環境面で現場から上がってきた声をフロントへ交渉役として伝えていく。覚えているのは昔の甲子園球場で選手が使えるウエートルームが、三塁ブルペンの奥くらいにあったんよ。それやと選手がユニホーム姿で行かなあかんから、ロッカーの横に移してもらったんよな。

 その他にもチームの成績が落ちてきたところで「決起集会でもやろか?」と企画して実行したり、チームの成績が少しでも上がるように環境を整えていくんが仕事よ。俺の時は27歳のシーズンで選手会長をやったんやけど、あの時は年下の選手が3人くらいしかおらんかったから(笑)。みんな年上やったから気も使うし、選手会長を務め上げる中で一番大事なことは、まず結果を残すことやろな。

 現場の代表として交渉に行くわけやから、しっかりした成績を残さないと周りもフロントも納得してくれへん。成績が出てないと逆に突っ込まれるんよな。だから奮起する材料にもなったし、プレーヤーとしていい刺激になったと思うよ。

 だから近本もそういう意識で頑張ってほしいよな。今は甲子園の施設面も整っているし、あまり大きく変える部分はないと思うけど、何かあった時のためにしっかりと交渉できるような数字を残して、立場を築かんとあかん。だから近本には確固たる主力選手になって、チームにいい影響を与えてほしい。