「ヤクルト4−4阪神」(14日、神宮)

 阪神が3点を追う九回、マルテの3ランで追いついて、敗色濃厚な試合を引き分けに持ち込んだ。そこまで、好機での拙攻が続いていただけに、この引き分けは大きい。どちらへ転ぶか分からない好ゲームを、デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏が解説する。

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 もし阪神が負けていたら大山のブレーキに敗因を求められていただろうね。それぞれの打席で後手を踏んでいるような形になってしまったから。

 2打席目から、ランナーを置いた場面で登場したけど、三回2死満塁で空振り三振。振りすぎと思ったか、五回無死満塁ではファウルが1球あったが3球はバットを振らずに見逃し三振。そして七回1死一、二塁では直球を見逃してはいけないと考え過ぎたか、完全なボールとなる変化球に手を出して空振り三振。

 ちょっと、苦しんでるよね。特に五回のケースでは、結果はともかく手を出して欲しかったし、自分も苦しむ、チームの士気も下がる打席となってしまった。

 マルテに最も救われたのが、大山じゃないかな。

 もう一人、救われたのが、黒星を消してもらった青柳だろうね。投球としては5回2失点。責められる結果ではない。また、調子も悪くなかった。

 基本的には、低めの制球が良かった上に、アンパイアも低めが広かったから、青柳にとっては投げやすいマウンドだったはずなんだよ。

 ただ、二回に元山、四回に中村と、数少ない、浮いた球を捉えられて2点を失った。

 あえて、配球面で指摘するとすれば、スライダーの使い方。青柳は初回1死一塁で、ヤクルト・青木のインコース膝元へ、最高のスライダーを投げ込んで、一塁走者のスタートもあって三振ゲッツーという、いい立ち上がりをしたでしょう。

 このインスラの有効性をもっと活用してほしいよね。この球のように、決め球にもできるし、見せ球に使えばそこから、アウトコース勝負もさらに有利になる。

 右投手には、左打者がオーダー的に増える中、外角一辺倒ではなく、膝元へのスライダーの使い方を覚えることができれば、そうした“右には左”という偏ったオーダーも怖くないと思うよ。