「阪神6−1中日」(21日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が21日、甲子園で行われた阪神−中日戦で本紙の解説を務めた。高橋の好投などで快勝し、優勝への望みをつないだ一戦。「高橋の好投が大きかった」とたたえた一方、得点の流れを見て中軸の起用法をどうしていくかを今後の課題に挙げた。

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 阪神にとっては優勝へ望みをつなぐ1勝になったと思う。ただ依然として課題となっているのが中軸の起用法。残り3試合、そしてポストシーズンへ向けてここを解消できるかが一つのポイントだろう。

 この日は大山がベンチスタートだった。首脳陣は状態の良い選手から使っていくという考え方でオーダーを組んだと思う。ただ得点の流れを見ると、“走者をかえすバッター”の役割が果たせていない。

 初回に近本の二ゴロ間に先制点を奪い、なおも1死二塁と好機は続いたがマルテ、糸原が凡退。二回は下位打線が作ったチャンスを1番・島田がモノにした。七回の2点もロハスと投手・高橋の適時打から生まれた。

 開幕序盤に貯金を積み上げた打線と、現在の打線の大きな違いは中軸が役割を果たせていないこと。マルテの状態も決して良いとは言えない。仮に大山や佐藤輝を復調させるのであれば、やはり試合の中で“きっかけ”をつかまさなければならない。

 スタメンで出して4打席に立たせるのも一つの手だが、六回1死一塁で佐藤輝が打席に立った場面では、ヒットエンドランのサインを出してもよかった。

 サインを出すことで、バッターは必然的に簡単に空振りはできないという意識が生まれる。普段とは違う状況の中で新たな発見が生まれ、復調へのヒントにつながる可能性もある。ただ漠然と打たせるだけでなく、“制約”をかけてみるのも手段の一つだ。

 近本の状態が気がかりだが、今後に向けてどういうオーダーを組むのがベストか−。もちろん可能性がある限り優勝を追い求めてほしい一方で、日本一になるためにはポストシーズンを勝ち抜くことも求められる。開幕メンバーの復調を目指すのか、短期決戦でも状態の良い選手から使っていくのか。中軸の起用法という課題の解消が、焦点になるだろう。