今回で4年目となる恒例の好評企画「40歳年収が高い企業ランキング」。全上場企業を対象として、独自に「40歳時の年収」を推計し、その結果をランキング形式で大公開します。今回は読者のリクエストにお応えし、本編では収録しなかった従業員100人未満の企業のランキングをお届けします。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)

読者のリクエストに応えて作成した
「40歳年収が高い企業ランキング」番外編

「役員から、『うちの年収は高いはずなのに、なぜランキングに載っていないのか』と聞かれていまして……」

『40歳年収が高い企業トップ1000社ランキング【2020年版】』を配信した後、ある大手金融機関からそんな問い合わせが入りました。

 役員の方に気にしていただけるとは光栄なお話。早速基データに当たって調べてみたところ、理由が分かりました。その企業は従業員が100人未満だったのです。

 詳細なランキング作成方法は後述しますが、「本編」である「40歳年収が高い企業ランキング」ではデータの「クセ」を極力取り除くため、従業員が100人未満の企業をランキングから除外して作成しています。

 持ち株会社をはじめとして、有価証券報告書(有報)の提出会社となっている企業の中には、経営企画や人事系など少数の幹部社員しか在籍していないところがあります。その結果、有報に記載されている年収データがその企業の実態よりも高く出てしまう恐れが出てきます。

 そうしたデータと実態の間に生じる“誤差”をなるべく排除しようということで、従業員が100人未満の有報提出会社はデータ処理の段階で除外しているのです。

 ただ、実は似たような問い合わせを去年配信した「40歳年収が高い企業ランキング」のときにも読者の方から頂きました。「TBSやフジテレビみたいな高年収のテレビ局が載っていないのはなぜなのか」という質問でした。

 やはり同じ理由でランキングから除外されていたので上記のような説明をしたところ、「そういう理由があったとしても、注目企業が載っていないのは残念だから次回は載せることを検討してほしい」というご要望を預かりました。

 そうした読者のリクエストに応えるかたちで今回、「40歳年収が高い企業ランキング」の「従業員100人未満編」を作成するに至りました。参考として、従業員100人以上の企業を含めたときの順位が分かるように「全体順位」という項目を加えています。前述したデータの「クセ」を考慮した上でご覧いただければ幸いです。

 では早速、トップ10から発表していきましょう。

1位はM&Aキャピタルパートナーズ
2位にダブルスコアを付ける大差

 1位は、中堅・中小企業向けにM&A(企業や事業の合併・買収)仲介サービスを提供するM&Aキャピタルパートナーズでした。

 推定40歳年収は3167.6万円。2位ソレイジア・ファーマの1504.0万円に対してダブルスコアを付けるぶっちぎりの1位です。従業員100人以上の企業を含めたときの全体順位でもトップに輝く水準です。

 同社の2019年9月期の有報をのぞいてみると人件費の内訳が載っていました。それによると内訳は下記の通り。

 給料手当:3億7597万5000円
 賞与:21億0932万8000円
 法定福利費:1億2943万6000円

 なんと、「ボーナス」とも呼ばれる賞与に通常の給料手当の5倍以上もの金額が充てられているのです(より詳細な解説は、川口宏之氏による『平均年収2000万超え! M&Aキャピタルパートナーズの年収はなぜ高いのか?』をご覧ください)。

 そこで有報の「事業等のリスク」に目を移してみると、「当社グループの業績は、M&Aアドバイザーである役職員の人員数及びそのサービス品質に依存しており(略)役職員の人材流失などによる業績の影響を受け易い体制となっております。(略)計画外の過度な人材の流失があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります」と記載されています。

 また、「会社の対処すべき課題」という項目の一つ目にも「優秀な人材の確保・教育と組織体制の強化」が挙げられ、「当社グループは、コアメンバーの想定外の大量退職や教育の遅れなどの属人的な要因が、安定的な業績確保の大きな障害となる可能性があると認識しております」とあります。そして、その対応策として「従業員に対して業績評価型のインセンティブ制度や、人事考課の導入」を行ってきたと説明されています。

 こうしたM&Aキャピタルパートナーズの問題意識とその対応策が、ボーナスに傾斜配分する特徴的な人件費の構成を生み出し、驚愕の高年収につながっていると考えられます。

40歳年収が高い企業ランキングの
作成方法とは?

 ではここで、今回掲載したランキングの算出方法を解説したいと思います。

 今回のデータは、冒頭で少し紹介したように有報で公開されている提出会社の平均年間給与(年収)を基にしています。対象期間は19年1〜12月期としました。

 ただし、この公開データは各社の従業員の平均年齢がばらばらであるため、本来は横並びで比較することができません。従業員の平均年齢が高いほど年収も高くなりがちだからです。

 そこで、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(19年)を基に、8業種(建設、製造、情報・通信、運輸、商業、金融・保険業、サービス、その他)の賃金カーブを多項式モデルによって作成。それを各社のデータに当てはめて、40歳時点の推計年収を求めました。

 有報の提出会社によってデータの「クセ」があることは、冒頭で説明した通りです。その際、年収が実態よりも高めに出てしまう恐れについてお伝えしましたが、逆のケースもあります。

 有報で公開している年収の算出に、一般社員よりも年収が低い契約社員を含めている場合があるのです。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めているビル管理業系の企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合があります。

 こうした事情を踏まえてランキングをご覧ください。