好業績であっても株価が割高なグロース(成長)株を今から買うのは怖いし、業績の低迷が続いているバリュー(割安)株も買いたくない。そんな個人投資家に注目してほしいのが、対通期の会社計画に対して第1四半期の業績進捗率が高い銘柄だ。コロナ禍で厳しい中でも、「業績の上ブレ」が期待できて「株価が割高ではない」企業をリストアップした。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

「週刊ダイヤモンド」2020年9月12日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

第1四半期決算の「業績進捗率」に注目
出遅れ銘柄の上方修正を先回りして狙う

 好業績であっても株価に過熱感(買われ過ぎ)があるグロース(成長)株を今から買うのは怖いし、業績の低迷が続いているバリュー(割安)株も買いたくない。そんな個人投資家に注目してほしいのが、「業績の上振れ」が期待でき、さらに「株価が割高ではない」企業だ。

 業績の上振れは「進捗率」が参考になる。進捗率とは会社が発表した通期計画の売上高や利益に対して、現時点でどれだけ達成できているかを表す数字のことだ。

 日本の上場企業の60%以上を占める3月期決算企業の場合、第1四半期(4〜6月)、つまり今年度の4分の1が終了した時点で、25%以上の進捗率となっていれば好調な滑り出しと判断できる。

 例えば、会社計画の営業利益が100億円で、第1四半期の営業利益が30億円であれば進捗率は30%。ビールや文具など季節性があるビジネスを除けば、急失速しない限り、中間決算時にも業績計画の上方修正が期待できる。3月期決算企業の中間決算は10月末から11月中旬にかけて発表されるが、先回りして買っておけば、業績の上方修正による株価の上昇を享受できる確率が高いわけだ。

 特に今年の4〜6月はコロナ禍で景気が最悪だった。その中で好スタートを切った企業は底力があるといっていいだろう。

 ただし進捗率が高くても、すでに株価に上方修正が織り込まれている企業もある。それを避けるには、PER(株価収益率)などで、株価が割高な水準でないかどうかを確認する必要がある。

 そこで作成したのが、下図の会社予想の営業利益に対する第1四半期の進捗率ランキングだ。対象は2〜3月期決算、時価総額1000億円以上の企業でランキングを作成した。

 大幅減益予想によって進捗率が高くなった企業を避けるために、今期の会社予想が小型株は増益、大型株も減益率は10%までという条件を付けた。また、PER20倍以下を条件とすることで、株価に割高感がある銘柄も除外している。

 大型株の1位はホームセンターを展開するコメリ。進捗率は65%超で、7月の既存店の月次売上高も好調を維持している。コロナ禍の恩恵を受けたホームセンター関連からは、DCMホールディングス、コーナン商事もランクインした。いずれも業績の上振れは必至で、株価はすでに反応しているものの、依然としてPERなど株価指標には割安感が残る。

 意外といっては失礼だが、銀行セクターからもランクインした。ここ数年、銀行セクターは株価の低迷により割安感が強くなっている企業が多いだけに、再評価されればリバウンドが期待できる。

【高進捗率ランキングの見方】
対象は2月、3月期決算で今期の第1四半期決算を発表した上場銘柄。下記の条件をクリアした企業を対象に、会社予想の営業利益(通期)に対して、第1四半期の進捗率が高い順にランキングした。営業利益予想がない企業は、当期利益予想に対する進捗率を使用。ランキングは時価総額1000億円以上の企業で作成した。

<スクリーニングの条件>
時価総額1000億円以上
●会社予想の営業利益が増益または減益率が10%未満
●会社予想のPERが20倍以下
●会社予想の営業利益が50億円以上
●株価等のデータは8月25日(終値)時点

*QUICKのデータを基にダイヤモンド編集部作成

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