コロナ禍の8月、例年より遅い梅雨明けとともに訪れた猛暑の夏。テレワークが普及し、3密回避が求められるなど、昨年とは環境が一変した今年の夏にはどんな商品が売れたのか。あるいは売れなかったのか。データから見ていこう。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

猛暑と感染対策……
コロナ禍の夏売れた商品ベスト5を発表!

 新型コロナウイルスの感染拡大により、3密を避けて感染リスクを減らすための新しい生活様式が浸透している。こうした影響は、小売店の商品の売れ行きにも表れているようだ。

 コロナ禍の夏、昨年と比べてどんな商品が売れて、どんな商品が売れなかったのか。今回、ダイヤモンド編集部では、市場調査会社のインテージが全国のスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの店舗から収集したデータを基に、2020年8月におけるさまざまな商品の販売金額を昨年と比較し、ランキングを作成した。

 以下では、「売れた商品ベスト5」を紹介しよう。

マスクは前年同期比1687.3%!?
買い占めで話題のうがい薬も上位に

 ぶっちぎりの1位となったのは、マスクだ。前年同期比1687.3%と、驚異の数値をたたき出した。インフルエンザや花粉症の流行シーズンでもない夏は、例年であればマスクはむしろ売れにくい時期。しかし、今年は感染対策のため多くの人がマスクを着用していた。すさまじい売れ行きにも納得できる。

 また、売れた数が増加しただけでなく、購入価格の単価が上がったことも販売金額が前年に比べて大きく増加する要因になった。インテージ経営推進本部経営企画部広報グループの木地利光氏は「一定の価格以上のものが買われる傾向も見られる」と指摘する。感染防止に加えて、暑さ対策も重要な課題だったコロナ禍の夏。メーカーや機能にこだわった人も多かったようだ。

 2位はうがい薬(同433.7%)。新型コロナウイルスの感染予防対策として、うがいが習慣化した影響により、今年に入ってから前年を上回る水準で販売金額は推移していたが、8月は特に数値が大きく跳ね上がった。

 事の発端は、8月4日に行われた吉村洋文大阪府知事の記者会見である。会見内で、府内のコロナ患者がポビドンヨードを含むうがい薬を使用した結果、唾液のPCR検査で陽性になる割合が低下したという研究成果を発表。大阪府をはじめとして、薬局などの店舗で買い占めが起こった。

 同じくこの影響を受けて販売額が大きく増加したと考えられるのが、8位の口腔用薬(同156.1%)だ。口腔内の殺菌、消毒を目的としたスプレータイプの医薬品などがこれに当たる。店頭で売り切れてしまったうがい薬の代用品として購入した人も多数いたとみられる。

 コロナの影響で日々の体調管理が習慣化した人も多い中、体温計(3位:同312.7%)も前年と比べて売れている。特徴的なのは、額や手首にかざして使う「非接触タイプ」の体温計の伸びが著しいことだ。非接触タイプに限ると、前年同期比で1596%となっている。接触を避けるコロナ禍ならではの傾向だ。

 コロナ対策に加えて、猛暑への警戒も必要だった今年の夏。健康への関心も例年以上に高まっていたといえる。

 4位に入った麦芽飲料(同226.3%)は、麦芽エキスを含む粉末を溶かして飲むタイプの商品だ。ネスレ「ミロ」などがこれに当たる。鉄分を多く含んでいることから貧血予防への効果がSNSを中心に話題となった。

 ベスト5には入らなかったが、6位の中国茶(同159.3%)は、中国茶の一種である杜仲茶にダイエットへの効果があるとメディアで取り上げられたことなどを要因として、昨年より売れた。外出自粛による運動不足から、ダイエットへの関心も引き続き高いようだ。

 ランキングの完全版を紹介している『コロナ禍の夏「売れた商品・売れなかった商品」ランキング、化粧品は大苦戦』では、前年同期と比べて売れた30品目のほか、反対に販売金額が前年比9割以下となった17品目についても解説している。ぜひチェックしてみてほしい。