コロナ禍の前に行われた20年卒の採用。果たして主要企業はどの大学から学生を採用したのだろうか。総合商社、コンサル、金融、メーカー、流通、運輸、情報通信など主要12業種の58の企業別2020年採用大学ランキングを作成した。第11弾はキリン、アサヒビール、サントリーホールディングス、サッポロビールという主要ビール会社の採用大学ランキングをお届けする。

 就活生の親世代が就活していた頃は、お酒を飲むときは「とりあえずビール」が定番だった。長らくビールでトップシェアを守ってきたキリンに、アサヒビールが「スーパードライ」を投入して挑戦状をたたきつけたのは1987年のこと。翌年にはキリン、サントリー、サッポロビールがドライビールを発売し、「ドライ戦争」としてビール市場を盛り上げた。

 しかし、時代は大きく変化してきた。消費者の嗜好の多様化や若年世代のアルコール離れなどもあり、ビール会社はビールだけでなく缶酎ハイやハイボール、発泡酒や第三のビール、さらにはノンアルコール飲料や清涼飲料など、多様なニーズに応えるべく商品ラインアップを拡充している。

 現代の就活生にとってビール会社は、総合飲料・食品メーカーとして映っているだろう。主要4社はどのような大学から学生を採用しているのだろうか。

 コロナ禍の影響を受ける前の19年のランキングを見てみよう。キリンは1位早稲田大学、2位同志社大学。アサヒビールは1位立命館大学、2位早稲田。サントリーホールディングス(HD)は1位慶應義塾大学、2位早稲田。サッポロビールは1位明治大学、2位早稲田の順だった。4社とも早稲田が2位以内にランクインしている。

 果たして20年のランキングの顔触れはどうなったのだろうか。

キリンは関西系がTOP10の過半
アサヒは国立大が上位に躍進

 20年の主要ビール会社の採用大学ランキングは、各社で顔触れに変化があった。キリンは前年1位の早稲田がTOP10から姿を消し、前年同率5位の慶應が1位となった。早稲田に代わって関西大学が同率8位でTOP10にランクインしている。その結果、TOP10のうち関西系の大学が6校と過半数を占めた。

 アサヒビールは慶應と早稲田が同率1位となった。20年の特徴は、国立大学が上位に上がったこと。同率3位に東京大学、大阪大学、神戸大学が並んだ。いずれも前年はTOP10圏外だった大学だ。また、同率3位の法政大学、同率8位の上智大学と中央大学も初めてTOP10に入り、10校中6校が初のランクインとなった。

 サントリーHDは1位早稲田、2位慶應で、前年と早慶の順位が入れ替わった。同率3位には前年TOP10圏外だった東大と前年同率4位の同志社が入った。同率6位の横浜国立大学、同率9位の北海道大学、九州大学、関西学院大学はいずれも、前年のTOP10圏外からのランクインだ。

 ビール4社の中で、前年からの変化が最も大きかったのはサッポロビールだ。20年の1位は前年2位の早稲田、2位は前年同率5位の法政だった。前年1位の明治は同率10位に順位を下げた。特徴的なのは、新顔が多いこと。TOP10にランクインした27校のうち、21校が新たな顔触れだ。同率3位の北大、大阪大、学習院大学、東京理科大学はいずれも初のランクイン。同率10位には千葉大学や信州大学、静岡大学、滋賀大学、岡山大学など新顔の地方大学が並んだ。

*ランキング表の見方
医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」より集計。慶應義塾大学は就職者3名以上の企業のみ公表。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。HDはホールディングスの略。 調査/大学通信