年収が高い建設会社ランキング
1000万円台が続出

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い建設会社ランキング」を作成した。対象は、単体従業員数100人以上の上場建設会社で、2019年12月期〜20年11月期。

 東日本大震災の復興や東京オリンピック・パラリンピック関連事業などの影響で長らく好景気が続いてきた建設業界。上位には平均年収1000万円を超える企業が並んだ。

 なお、今回はコロナ禍が本格的に影響する直前のデータになるが、現状は建設業界も多くの業界と同じく新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、工事中断や投資が落ち込んでいる。そのため21年3月期(通期)の売上高では、大手ゼネコンの鹿島、大林組、大成建設、清水建設の4社全てが減収に陥った。また、4社合計でも10年ぶりに減収となっている。

 では早速、年収ランキングを確認していこう。

 1位となったのは、大手ゼネコンの鹿島だ。平均年収は1134.1万円。平均年齢は44.2歳で、単体従業員数が7887人いる。

 首都圏を中心に手持ちの大型工事の施工が順調に進んだことなどから、今回の年収データの対象期間である20年度3月期の売上高は、2兆108億円だった。売上高が2兆円を超えたのは、2002年3月期以来だ。ただ、同社も新型コロナウイルスの影響は受けていて、アジアを中心に一定期間の建設現場の閉鎖や運営施設の稼働率の低下などが起きている。

 なお、3位は大林組で1057.7万円、4位は大成建設で1010.3万円、5位は清水建設で1006.7万円と大手ゼネコンが続いた。

 これらスーパーゼネコンと呼ばれる4社が上位にランクインしたことは、一般的なイメージからいっても違和感がない。しかし、特筆すべきは2位の大気社である。

 大気社は、主に空調設備の設計や施工、関連機材の製造などを行う会社だ。平均年収は1076.5万円で、昨年の平均年収927.3万円より16.1%も上がっている。3位の大林組(1057.7万円)よりも18.8万円も上回っているのは意外と思う人も多いだろう。

 14年度以降、同社の平均年収は894万〜968万円辺りを推移していたが、今回は1000万円の大台を超えた。理由は、国内だけでなく、タイやフィリピンなど海外でもビルの空調分野の受注工事高が増えるなどし、業績が好調だったことが考えられる。また、同社は自動車産業に関する塗装設備の設計なども手掛けていて、北米では自動車メーカーの需要が好調だったという。

 ただ、同社もコロナ禍の影響は被っている。リモートワークの普及などで企業の設備投資が鈍っているため、当面の間、受注減を避けられそうもない。

 たとえ新型コロナウイルスが収束したからといって、以前のように都心やオフィスに活気が戻るかどうかは分からない。このような不透明な状況の中で、建設会社もどこまで高い年収を維持できるだろうか。

 なお、ランキング完全版では6位以下の全144社を掲載している。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)