1位は1873万円!
電子部品の専門商社
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2022最新版【平均年齢40代・従業員100人未満】」を作成した。対象は上場企業で、単体の従業員数が100人以上の会社は除外している。対象期間は2021年4月期〜22年3月期となっている。
早速、ランキングを確認していこう。
1位は、神奈川県に本社を置くマクニカ・富士エレホールディングス(HD)で、平均年収は1873.8万円(従業員数28人、平均年齢49.2歳)だった。なお同社は、22年8月に商号をマクニカホールディングスに変更しているが、今回のランキングは22年3月期の有価証券報告書を基にしているため、変更前の商号で記載している。
同社は半導体やIC(集積回路)などの電子部品の専門商社で、半導体需要の活況が追い風となっている。22年3月期の売上高は7618億円(前期比37.5%増)、営業利益367億円(95.6%増)、経常利益355億円(116.4%増)、純利益258億円(137.2%増)と絶好調だ。
なお、同社は子会社や関連会社を48社持つグループの持ち株会社である。
今回の年収ランキングは、従業員数100人未満の上場企業に対象を絞っているため、持ち株会社が上位に入りやすい傾向がある。持ち株会社の傘下には多くの連結子会社などがあり、それら企業の平均年収とは異なることを留意してほしい。
3位は人気ゲームを開発
2位は光通信で、平均年収は1682.3万円(従業員数7人、平均年齢43.7歳)だった。同社は1988年設立、90年代の携帯電話・PHSの普及期に携帯電話販売代理店で急成長した。現在はインターネット回線や宅配水販売、電力や保険の取り次ぎ販売など多岐にわたる事業を展開している。単体従業員数は7人だが、22年3月期の連結従業員数は5310人に上る。
3位はスクウェア・エニックス・HDで、平均年収は1427.4万円(従業員数27人、平均年齢47.1歳)。同社はゲームの企画開発や、アミューズメント施設の「タイトーステーション」の運営、ゲーム関連書籍の出版など、グローバルにエンタテインメント・コンテンツやサービスを提供している。「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などのゲームシリーズは、世界的な知名度も高い。同社も1位、2位と同じく連結子会社を多く抱え、連結従業員数は5637人(22年3月末)に上る。
4位はネットプロテクションズHDで、平均年収は1297.7万円(従業員数6人、平均年齢41.6歳)だった。同社は通販事業者向けの後払い決済(BNPL)サービス「NP後払い」などを展開する企業。台湾やベトナムにも進出していて、決済サービス市場のリーディングカンパニーと称される。こちらも単体従業員は6人だが、連結の従業員は221人いる(22年3月末)。
5位は、RPAホールディングス(HD)で、平均年収は1288.0万円(従業員数15人、平均年齢41.3歳)だった。同社は、人工知能(AI)がデータ入力やデータ連携などの代行・代替をする「ロボットアウトソーシング」事業を主軸とする。社名にもあるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、技術革新がめざましく、高齢化・少子化の進む日本でも必要不可欠な領域だ。しかし、競争も激しいため、新技術の開発やそれに伴う人材強化が企業成長の鍵となる。こちらも単体従業員は15人だが、連結の従業員は126人だ(22年2月末)。
(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)