新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の怖さは、自分が感染するだけでなく、知らないうちに自分が「感染させる」側に回る点だ。

 本稿を書いている4月2日時点のデータを見ると、SARS-CoV-2に感染が判明した人のうち、半数〜8割は、全く自覚症状がなかったことが判明している。擬陽性例を考え合わせても、感染者の2人に1人は「無症状のキャリア(病原体保有者)」なのだ。「別に症状はないから、平気でしょ?」という思い込みは危険だ。

 感染クラスターが発生している特定警戒都道府県の住民なら、気づかぬ間に感染し、既にウイルスを周りにばらまいている可能性は否定できない。会話の合間に飛沫感染するウイルスばかりか、汚染された手指が触れたテーブルや椅子の表面、エレベーターのボタンも感染源になるのだから。

 ここは仕方がない。今年のゴールデンウィーク(GW)はできるだけ家にいて、旅行や帰省は見送ろう。やむを得ない場合は、自分が極めて高い確率でウイルスを持ち歩いている「ステルス爆弾」であることを自覚して行動しよう。

 換気の良い屋外でのバーベキューも安全ではない。どうしてもというなら手指消毒や手洗いを徹底して食器の共有を避ける、食事は家族単位とし、互いの間に2メートルの距離を置く、おしゃべりタイムは清潔なマスクを正しく着ける、などの予防策が必要だ。

 COVID-19のように飛沫・接触が感染ルートの感染症は、指数関数(ねずみ算)的に激増するのがセオリーだ。1人の感染者が実際に何人に感染させたかを表す「Rノート:再生産指数」を1以下に抑えることができれば収束に向かう。しかし、2を超えた場合は倍々ゲームのスイッチが入る。

 大都市のRノートはすでに2を超えた。1以下の水準に引き戻すには、直接誰かと接する機会や時間を限りなくゼロに近づけるしかない。簡単にいえば「家に引きこもっていろ!」ということだ。

 ある意味、GWは全国一斉におよそ2週間のロックダウンを実施する機会でもある。巣ごもり用の娯楽を用意しておこう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)