全国的にスギ・ヒノキ花粉が飛散している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と共存している今シーズンはどう乗り切ればいいだろう。

 花粉症とCOVID-19を見分けるポイントは(1)発熱、(2)目や鼻の痒み、(3)咳、そして(4)鼻水、鼻づまり、涙目の症状の四つ。

 花粉症の場合、アレルゲンのスギ・ヒノキ花粉の粒子が大きいので「悪さを及ぼす範囲」が身体の表面近くにとどまる。つまり、目、鼻の粘膜にアレルギー症状が現れるわけだ。特に“鼻水ダダ漏れ”状態で生じる痒みは、COVID-19では認められず鑑別に役立つ。

 一方、新型コロナウイルスは身体の奥深くに入り込み、気管支や肺などさまざまな臓器で炎症を起こす。呼吸困難や咳、発熱、血栓症など全身に症状が現れる一方、目や鼻の痒みといったアレルギー症状はほぼ、認められない。

 ただし、最終的な診断は医師に委ねられるので、花粉症かCOVID-19かで迷った際は、かかりつけ医か公的窓口に連絡をとろう。

 COVID-19の予防策では、マスクをずらして「くしゃみ」をしないこと。マスクの内側を唾で濡らしたくない気持ちはわかるが、くしゃみの飛沫に感染リスクが潜んでいることを忘れないでほしい。

 鼻づまりがひどい方は、マスクの装着を徹底しよう。鼻がつまると口呼吸になり、口腔内が乾燥するため、ウイルスが生存しやすくなるからだ。夜寝る際は、加湿器の利用や濡れタオルを室内に干すなど湿度を保つ工夫をするといい。

 花粉対策と同時にお勧めしたいのは、「鼻うがい」だ。さすがにCOVID-19予防のエビデンスはないが、一般的なコロナウイルス風邪に関しては、病気の期間の短縮、薬の使用量の減少、加えて家庭内感染リスクを4割近く減少させることが報告されている。

 効果をあげるポイントは、普段の鼻うがいで利用する0.9%の生理食塩水ではなく、2〜3%濃度の高張食塩水を使うこと。

 人肌のお湯200〜250ミリリットルに小さじ1杯の食塩を溶かせば、家庭でも簡単に高張食塩水を作れる。あとは市販の鼻うがいキットを利用するといいだろう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)