デンマークでは昨年2月から、580万人の国民を対象にSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)のPCR検査を拡大してきた。

 有症状者は国民健康保険制度内で、無症状でも希望者は4月に設立した「Test Center Denmark」の検査ステーションで、2歳以上の国民と海外からの観光客が無償で検査を受けられる。昨年12月31日現在で、人口のおよそ7割にあたる396万人に対し、1000万件以上の検査が行われてきた。

 先日、この検査結果の追跡から、第1波(同国では20年3〜5月)のPCR検査で「陽性」と判定された人が、第2波(同9〜12月)で再感染するリスクが報告された。同国では健康保険データベースが充実しているので、検査結果と個人の年齢、性別、病歴なども紐付けられるのが特長。

 なお、死亡例や第1波と第2波の合間に「陽性判定」された人は解析から除外されている。

 解析の結果、第1波で陽性となり追跡されていた1万1068人のうち、第2波で再び陽性と判定された人は72人、0.65%にとどまった。第1波で陰性、第2波で陽性だった人と比較すると、感染経験者の再感染率は2割未満で、予防効果が80%以上になる計算だ。

 同じような傾向は英国などから複数が報告されており、少なくとも感染後の半年間は、自然免疫で再感染リスクが抑えられると考えていいかもしれない。

 一方で、65歳以上の高齢者の再感染予防率は、47%にとどまった。研究者は「免疫老化」が影響していると指摘し、高齢者を守るにはワクチン接種の推進に加え、ソーシャルディスタンスとマスク着用の継続が必要だと強調している。

 また、本調査時点のデンマークでは、感染力が強い変異株が侵入していなかった点も注意したい。今、猛威を振るっている変異株の再感染リスクに関しては、未知数というわけ。

 とにかく大切なのは、感染(検査陽性)後も「これで自分は大丈夫だ」と油断をしないこと。ワクチン接種という出口も見えてきたのだから、もう少しの辛抱である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)