新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の実態が明らかになってきた。

 日本国内では、2020年1月〜21年2月にCOVID-19で入院した522人を調査した結果、退院時に倦怠感などの自覚症状を認めた人の3割で診断から半年がたった時点でも、症状が持続していたことが判明。

 主な症状は、疲労感・倦怠感が21%、味覚障害、頭痛が9%、思考力・集中力の低下が11%など。脱毛も10%に認められた。一方、症状の有無にかかわらず、およそ8割は「感染以前の健康状態に戻った」としている。ただ、長引く症状が一つでもあると不安や抑うつ気分、睡眠障害を自覚する傾向が強まるため、仕事や学業など社会生活への影響が懸念される。

 軽症例でも油断はできない。

 ノルウェーの報告では、20年2月28日〜4月4日にCOVID-19と診断された「自宅待機患者(軽症〜中等症例)」と「入院患者(重症例)」について、6カ月後に再診と聞き取り調査を実施。最終的な解析対象は自宅待機組247人、入院組65人だった。

 その結果、自宅待機組の55%で半年後も自覚症状が続いていることが判明。主な症状は疲労感30%、味覚・臭覚障害27%、集中力の低下19%、記憶障害18%で、呼吸困難も15%で続いていた。

 16歳未満の自覚的な後遺症は16人中の2人(13%)にすぎなかったが、16〜30歳では61人中の32人と半数が6カ月後も後遺症に悩んでいた。最も多かったのは、味覚・臭覚障害で、ついで疲労感、呼吸困難、集中力や記憶力の低下だった。若い人ほど社会復帰の際は周囲の理解が必要だろう。

 COVID-19に限らず、ウイルス感染後は免疫反応や低酸素血症に伴う脳内の炎症が引き金となり、疲労感が続くことが知られている。まして、COVID-19特有の無症状のようで、その実「幸せな低酸素血症」が生じる可能性を考えると、軽症ならダメージは生じないとは言い切れない。

 後遺症を避ける方法はただ一つ、「感染しないこと」だ。新型コロナワクチン接種を迷っている方は、それも判断材料に加えてほしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)