日本人は平日平均で6.25時間と世界一「座りっぱなし」の国民だ。リモートワークの普及で拍車がかかっている。

 京都府立医科大学の研究グループは、日本多施設共同コホート研究(J−MICC研究)に参加した地域住民(年齢35〜69歳、およそ10万人)のうち、6万4456人(男性2万9022人)を平均7.7年間追跡。

 脂質異常症、高血圧、糖尿病の三つの生活習慣病の有無と、余暇時間の運動量で、座位時間と死亡リスクの関係がどう変化するかを検討した。

 その結果、仕事中〜休日にかかわらず、日中の座位時間が長いほど死亡率が高いことが判明。また、生活習慣病が重なるほど死亡率が高くなることもわかった。

 具体的には、日中の座位時間が2時間増えるごとに、全体の死亡率が15%増加。さらにこの数値は、脂質異常症があると18%に上昇し、高血圧では20%、糖尿病では27%にもなる。

 また、生活習慣病が三つ重なった場合は、42%も死亡率が高くなることが示された。

 ちなみに生活習慣病を全く持たない人でも座位時間が2時間増えるごとに、死亡率が13%上昇するというから、侮れない。

 次に、身体活動量を増やすことで座位による死亡率が減るかどうかを検討したが、余暇に運動を増やしても改善効果はわずかだった。

 つまり、座りっぱなしの健康リスク――血行不良や代謝異常からくる高血圧や血中コレステロール、中性脂肪の増加、肥満などは、休日のまとまった運動で解消できるものではない、ということ。

 研究者は「仕事中も、こまめに動くこと」を勧めている。

 WHO(世界保健機関)の「身体活動・座位行動ガイドライン」でも「ちょっとした身体活動でも、何もしないよりマシ:EVERY MOVE COUNTS」として、成人(18〜64歳)は座りっぱなしの時間を減らし、生活活動に置き換えるよう呼びかけている。

 最初はコーヒーを入れに立ったり、ベランダや庭に出て伸びをするだけでもいい。徐々に身体を動かす頻度と強度を増やしていこう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)