新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、今度は接種後の「ブレイクスルー感染」が話題になっている。

 ワクチン接種で先行しているイスラエルからの報告では、ファイザー/ビオンテック社のワクチン2回接種、7日以上を経過した後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症、入院した152人について解析。内訳は人工呼吸器の装着が必要だった患者が38人、死亡は34人だった。

 感染者は高血圧症108人(71%)、糖尿病73人(48%)、うっ血性心不全41人(27%)など、すでにCOVID-19の重症化リスクとして知られている基礎疾患を持つ人が多く、基礎疾患がない患者は6人(4%)にとどまった。

 今年9月に報告された英国(3種類のワクチンが接種可能)の調査では、2020年12月8日〜21年7月4日にワクチンを1回、もしくは2回接種した人について、初回接種後14日間経過で陽性(感染)群、2回目接種後7日間経過で陽性群と、それぞれの期間で陰性(非感染)群と比較。

 ブレイクスルー感染は、初回接種後の124万0009例のうち6030例(0.5%)、2回接種後の97万1504例のうち2370例(0.2%)だった。

 感染リスクが高かったのは、60歳以上でフレイル(虚弱)、体格指数30以上の肥満者、基礎疾患持ちだった。

 一方、接種vs.非接種で感染後の経過を比較すると、接種群の入院の確率は、非接種群よりおよそ70%低下したほか、2回接種群では、発症後に発熱、味覚・嗅覚障害、呼吸困難など五つ以上の症状が28日以上続く確率が半減。無症状で済む可能性も2倍近く増えた。

 研究者は「ブレイクスルー感染しても、コロナの後遺症に悩まされる確率は低下する」としている。

 さて、秋も深まり冬期の「第6波」に備える時期である。もうへきえきしているだろうが、なんとか踏ん張りたい。

 ワクチン非接種者は接種の機会を逃さぬように。接種済みの人は、自身が「無症状の感染源」になる可能性を肝に銘じ、人混みでの不織布マスク着用を徹底してほしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)