市区町村の窓口は今、新型コロナウイルス感染拡大で大きな被害を受けた企業、個人が補償を求めて殺到している。行政サービスは窓口での対応がすべてではないが、これを機会にサービスを受けて、さまざまな感想を持った人もいるのではないか。

 では、今回のコロナの感染拡大が広がる前から、各自治体が行う「行政サービスに課題がある」と答えた住民が多い都道府県はどこなのだろうか。

 このランキングは、ブランド総合研究所が2019年に初めて行った住民視点で地域の課題を明らかにする『地域版SDGs調査』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民に聞いた「『行政サービスに課題あり』と感じる人が多い都道府県ランキング」を見ていこう。

※アンケートはインターネットにて実施。1万5925人から回答を得た(一部を除き各都道府県から約340人)。調査時期は2019年7月12日〜29日。社会の課題として挙げた48項目のうち「行政サービスの向上」を社会が取り組むべき課題だと答えた人の割合からランキングを作成した。

1位奈良県、2位大阪府、3位大分県
「行政サービスに課題あり」と感じる人が多い都道府県ランキング

「『行政サービスに課題あり』と感じる人が多い都道府県ランキング」の1位は奈良県で、行政サービスの向上に社会が取り組むべきと答えた人の割合は16%となった。2位は大阪府(13.9%)、3位には大分県(13.8%)が続いた。

 一方、課題と感じる人が少ない都道府県については、同率45位に神奈川県と京都府(8.2%)、そして47位は兵庫県(7.9%)だった。

行政サービスに課題ありの自治体も
「コロナ対応」でイメージを払拭?

 今回のランキングで上位になった都道府県には、どのような特徴があるのだろうか。この調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、上位の自治体には次の3つのいずれかに当てはまる傾向があると語る。

「1つ目が、インバウンド需要の急増に対する、行政の対応に不満を持っている自治体だ。

 2つ目は、地方行政の不安定さが影響している場所。例えば、議会の与野党逆転、知事の交代によって、『今まであった行政サービスがなくなった』などに対する不満が、今回の結果につながった可能性がある。

 3つ目は、街の疲弊などで、住民の生活スタイルに悪影響が出ていると考えられる自治体だ。必ずしも行政が悪いわけではなくても、生活の質が低下した場合は行政サービスに課題があると認識される恐れもある」

 実際に、今回のランキングで上位に来ている都道府県は、社会が取り組む課題として「老老介護」「高齢化」を挙げる人が多くなっている。こうした社会課題に対する行政への対応にも、不満を持っている住民は少なくないのだろう。

「行政への期待と注文があるからこそ、課題があると認識されている。その課題は都道府県によって異なるが、それを真摯に受け止めて分析し、対応策を見いだしていくことが大切ではないか」(田中社長)

 コロナの影響で、自宅や地元での生活にストレスや課題を感じている人が多くなっている。こんな時だからこそ、他の行政が行っていない政策や施策を全面的に打ち出すことで、「行政サービスに課題がある」というイメージを払拭できる機会になるかもしれない。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林 恭子)