新型コロナウイルスの感染防止のため、外出自粛や在宅勤務を強いられたことで、コミュニケーション不足になり、孤独を感じた人は少なくないだろう。一方で、一人で過ごす時間を充実したものにしたり、オンライン飲み会などを通じて新たなコミュニケーション方法を見いだしたりした人もいた。読者の方々は、この期間をどのように感じただろうか。

 では、コロナの感染拡大が広がる前から「孤独に悩んでいる」と答えた住民が多い都道府県はどこなのか。

 このランキングは、ブランド総合研究所が2019年に初めて行った住民視点で地域の課題を明らかにする『地域版SDGs調査』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民に聞いた「孤独に悩む人が多い都道府県ランキング」を見ていこう。

※アンケートはインターネットにて実施。1万5925人から回答を得た(一部を除き各都道府県から約340人)。調査時期は2019年7月12日〜29日。住民の悩みとして挙げた48項目のうち「孤独に悩んでいる」と答えた人の割合から47都道府県のランキングを作成した。

1位福岡県、2位新潟県、3位山形県に
孤独に悩む人が多い都道府県ランキング

「孤独に悩む人が多い都道府県ランキング」1位は福岡県で、悩んでいる人の割合は7.3%だった。2位は新潟県(7.1%)、3位には山形県(7.0%)が続いた。

40代は最も「孤独に悩む」年代?
悩む年代は都道府県で違いも

 今回のランキングで上位になった都道府県には、どのような特徴があるのだろうか。この調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、「同じ上位の都道府県であっても、順位を引き上げている背景はそれぞれに異なっているようだ」と分析する。実際に、同調査の結果を年代別に見ていくと、その違いが見えてくる。

「孤独に悩んでいる」と答えた人の47都道府県の平均を見ると、20代は4.4%、30代は3.9%、40代は5.9%、50代は4.2%、60代以上は2.7%となった。40代をピークに年齢を重ねるごとに悩んでいる人は増えるが、50代以降は減少するのが全国的な傾向だ。が、必ずしもそれに当てはまらない上位の都道府県もあった。

 まず、1位の福岡県では、「孤独に悩んでいる」と答えた20代の割合が5.6%に対し、30代では9.9%、そして40代では10.1%とおよそ2倍に増加している。50代では7.7%と減少に転じることから、福岡県では30代と40代が悩んでいることが、順位を引き上げている要因であることが分かる。

 2位の新潟県についても、20代は3.8%、30代は5.9%、40代は11.1%と年齢を追うごとに上昇するものの、50代では6.5%と減少。しかし、60代以上では8.6%と再び増加に転じている。47都道府県の平均では、60代以上で「孤独に悩んでいる」と答えた人の割合が2.7%だったことから、新潟県ではその3倍以上の数値となっており、高齢者層の孤独が課題にある可能性が考えられる。

 福岡県と新潟県の結果から、20代の若者の孤独は問題になりにくいのかというと、そうでもない。5位の鹿児島県の結果を年代別に見ていくと、20代で「孤独に悩んでいる」人の割合は12.7%で全国トップと突出している。20代における47都道府県の平均が4.4%であることからも、その割合の高さが分かるだろう。ただ、30代になると6.7%、40代では5.6%と減少に転じることから、何か鹿児島県の20代に特有の問題がありそうだ。

 今回の調査で「孤独に悩んでいる」と答えた人を、「既婚」「未婚」や「子どもあり」「子どもなし」に分けて見てみると、「既婚」では2.5%に対し「未婚」では7.8%に、「子どもあり」では2.6%に対し「子どもなし」では6.8%となった。この結果からも、家族がいるかいないかは、孤独に悩む要因の1つであるといえる。

 しかし、家族がいても孤独に悩んでいる人はきっと全国各地にいるだろう。「既婚か未婚か」「子どもがいるか、いないか」といった表面的な属性だけでなく、年代や地域の事情も含めたさまざまな角度から、孤独に悩む理由を知ることが、あらゆる人が孤独に悩まずに幸せに暮らすヒントになるのではないか。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林 恭子)