2015年国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」。現在では、大企業や国、全国各地の自治体でも取り組みが進んでいるが、いまだ認知度は高くない。その理由として、SDGsの内容が必ずしも「住民視点」になっていないことが考えられる。

 そこで、各都道府県の住民の視点で、「低収入」「育児・子育て」「介護」など50項目の個人的な悩みや、「少子化」「働き方改革」など50項目の地域への不満を調査して、数値化したのがブランド総合研究所の実施した「都道府県版SDGs調査2020」だ。

 調査は昨年に続いて2回目で、今回は「自分の地域が社会や環境に配慮していると思うか」という、地域に対する住民の意識を問う項目で新たに実施している。そこで今回は、そのSDGs評価指数の都道府県ごとの結果を「SDGsへの取り組みの評価が高い都道府県ランキング」として紹介しよう。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。調査時期は2020年6月中旬。「都道府県SDGs評価指数ランキング」は、「(あなたの居住する)都道府県は、他の都道府県と比べて、地域の持続性を高めるために社会や環境に配慮していると思いますか」という設問に対し、5段階(「とても配慮している」「やや配慮している」「どちらでもない」「あまり配慮していない」「全く配慮していない」)で回答してもらった結果を、SDGs評価指数として算出した。

SDGsへの取り組みの評価が高い都道府県
1位はダントツで鳥取県に

「SDGsへの取り組みの評価が高い都道府県ランキング」1位は、鳥取県となった。鳥取県のSDGs評価指数は58.3点となり、「(地域の持続性を高めるために)とても配慮している」と回答した人が11.9%と全都道府県の中で唯一1割を超え、また「やや配慮している」が31.8%と、合計で43.7%の住民が鳥取県の社会や環境への配慮を評価していることがわかった。

 2位は熊本県で(SDGs評価指数、以下同じ:55.4点)となり、「とても配慮している」と答えた人は8.0%、「やや配慮している」は26.8%だった。3位には岩手県(55.0点)、4位は長野県(54.9点)、5位は高知県(54.8点)が続いた。

 一方で、SDGs評価指数が最も低かったのは秋田県で、43.0点だった。「あまり配慮していない」(21.6%)、「全く配慮していない」14.4%と、合計36.0%が「配慮していない」と回答しており、全都道府県の中で最も高い数値となった。

持続可能な社会を作るために
住民が自治体に求める活動は?

「『SDGs』の認知度はまだ高くない状態ではあるものの、知らないうちに多くの人が『持続可能な社会』を作るための行動をしたり、自治体にそうした活動を求めたりしている」

 このように語るのは、今回の調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長だ。SDGsでは「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、17のゴールが示されているが、この中でも「持続可能な社会を作るため」に住民が自治体に求めているのはどんなことなのか。

 同調査では、住民に対し、「持続可能な社会を作るために、(あなたの居住している)都道府県にはどのような活動が必要だと思いますか」との問いに対して、SDGsの17のゴールを示し、該当するものをすべて選んでもらっている(複数回答)。

 必要だという回答が最も多かったのは、ゴール11にあたる「住み続けられるまちづくりを」で41.7%となった。SDGsへの取り組みの評価が高い都道府県ランキングで47位だった秋田県は、この割合が51.1%に上り、全都道府県の中で最も多かった。

 SDGsはもともと、国連サミットで採択された目標であるため、世界規模での活動をイメージする人は少なくない。しかし、一般の住民にとっては、自分が住む地域など、身近な存在を持続可能にすることの方が重要で、関心も高いはずだ。

「『SDGs』というと難しく感じるかもしれないが、概念はとても重要で、身近な問題も取り上げている。『SDGs』と言わずに、『住み続けられるまちづくり』などわかりやすい言葉を使って活動を行うことで、各自治体も住民の協力をより得られるようになるのではないか」(田中社長)

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)