誰しも普通に生活をしていれば、悩みの一つや二つはあるもの。しかし、「悩みがない人」も世の中には少なからずいる。では、日本のどの地域で「悩みがない人」が多い傾向にあるのか。

 それを47都道府県の住民へのアンケートによって明らかにしたのが、ブランド総合研究所の実施した「悩みのない人が多い都道府県ランキング」だ。

 このランキングは、ブランド総合研究所が2020年6月に行った、住民視点で地域の課題を明らかにする『都道府県SDGs調査2020』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民へのアンケートでわかった「悩みのない人が多い都道府県ランキング」を見ていこう。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。同調査では「住民の悩み」(48項目)の有無を尋ねており、そのいずれにも当てはまらない、すなわち「悩みがない」と答えた人の割合からランキングを作成した。調査期間は2020年6月12〜29日。

1位は埼玉県、2位は兵庫県に
悩みのない人が多い都道府県ランキング発表!

「悩みのない人が多い都道府県ランキング2020」1位は、埼玉県になった。「悩みがない」と答えた人の割合は22.9%に上り、前年の21.3%から1.6ポイントも増えている。

 2位は兵庫県(21.9%)、3位は愛媛県(20.8%)だった。4位は神奈川県(20.6%)、5位には福岡県(20.4%)が続いており、比較的大きな都市のある県が上位にランクインする結果となった。

「貧困」「健康」「まちづくり」
上位県はこれらに悩む人が少ない

 今回の調査では「悩みがない」と答えた人の割合が全国平均で16.4%となり、前年の18.2%から1.8ポイント低下している。これは調査が昨年6月に実施されたことから、新型コロナウイルスの感染拡大による影響も考えられるが、その一方で上位県では「悩みがない」人の割合が増加している。

 では、上位にランクインした都道府県には、どのような特徴があるのだろうか。上位3県の「住民の悩み」の実態を詳しく見ていこう。

 まず1位の埼玉県では、「貧困」に関する悩みを持つ人が全国的に見ても少ない結果となった。例えば、「貯蓄・投資」に悩む人の割合は47都道府県中44位。「借金・ローン」でも45位と、金銭面に悩む人は比較的少ない。

 また、「健康・福祉」に関する悩みを持つ人も少なかった。「生活習慣病」に悩む人の割合は全国で47位、「介護」に悩む人の割合も46位と少なかった。

 さらに「まちづくり」に関する項目では、「電車やバスの路線廃止・減便」に悩む人の割合は41位、「宅配・物流サービス」は46位。「雇用」に関しても「就職難」に悩む人の割合は40位、「サービス残業・残業代不払い」で47位と、軒並み悩む人が少ない結果になった。

 同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、こうした結果を受けて以下のように語る。

「住民の悩みの中でも『貧困』や『健康・福祉』『まちづくり』『雇用』に関連した項目は、居住意欲度や生活満足度に直結しやすい。これらの悩みを持つ人が少ない埼玉県は、住みやすい街としての要素を兼ね備えているといえるだろう」

 この「貧困」や「健康・福祉」に関する悩みを持つ人が少ないのは、2位の兵庫県にも当てはまる。例えば「低収入・低賃金」に悩む人は46位、「持病・難病」に悩む人は47位など、こうした悩みを持つ人の割合は軒並み低かった。

 その一方、兵庫県でも悩む人が多かったのが「教育」に関連する項目だ。「受験・進学」に悩む人の割合は5位、「いじめ」も9位と上位になった。

 3位の愛媛県も「貧困」に関して、悩む人の割合が下位になる項目が比較的多かった。例えば、「低収入・低賃金」に悩む人の割合は35位、「貯蓄・投資」は38位となっている。「健康・福祉」に関しても軒並み低い順位にとどまったが、「介護」では2位、「不登校・ひきこもり」で6位、「育児・子育て」で7位となった。

 悩みのない人が多い都道府県でも、子育てや介護など個別の項目を見ていけば、深い悩みを持つ人はいる。住民それぞれが抱える悩みをつぶさに捉え、一つ一つ解決していくことが住民の満足度を上げ、住み続けたいと思える街をつくる重要な要素となるだろう。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)