少子高齢化が全国的に進む今、若い世代は地域の持続や活性化に欠かせない存在だ。そんな彼らが大きな悩みを抱えずに過ごせることが、地域からの人口流出を防ぐ一つの重要な施策になるだろう。では、どの地域で「悩みがない」若者の数が多い傾向にあるのか。

 それを47都道府県に住む20代へのアンケートによって明らかにしたのが、ブランド総合研究所の実施した「20代で悩みのない人が多い都道府県ランキング」だ。

 このランキングは、ブランド総合研究所が2020年6月に行った住民視点で地域の課題を明らかにする『都道府県SDGs調査2020』によるもの。それでは早速、47都道府県の住民へのアンケートでわかった「20代で悩みのない人が多い都道府県ランキング」を見ていこう。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。同調査では「住民の悩み」(48項目)の有無を尋ねており、そのいずれにも当てはまらない、すなわち「悩みがない」と答えた人の割合から今回は20代に絞ってランキングを作成した。調査期間は2020年6月12日〜29日。

1位はダントツで福岡県に
20代で悩みのない人が多い都道府県ランキング

「20代で悩みのない人が多い都道府県ランキング2020」1位は福岡県で、「悩みがない」と答えた20代の割合は40.9%に上った。2位の山口県は「悩みがない」と答えた人の割合が31.3%となり、福岡県は2位と9ポイント以上も差をつけてダントツの1位だった。

 3位は栃木県(31.1%)、4位は鳥取県(29.3%)、そして5位には三重県(29.0%)が続く結果となった。

20代で最も多い悩みは「低収入」
男性より女性に悩みが多い傾向に

 上位県で悩みが少ない理由を探る前に、まずは20代の悩みにはどのような特徴があるのかを見ていこう。

 20代で最も多い悩みは「低収入・低賃金」で、41.7%の人が悩んでいることがわかった。全世代では悩んでいる人の割合が35.1%であることから、20代はより収入に関する悩みを持つ人が多いとわかる。そして、2位は「ストレス」(29.9%)、3位には「貯蓄・投資」(29.7%)が続いた。

 男女別にデータを見ていくと、男性よりも女性の方が悩みの数は多いことがわかった。同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、以下のように語る。

「20代の1人あたりの悩みの数を見ていくと、男性は平均5.4個だったの対し、女性は8.2個となった。女性は『運動不足』『孤独』『パワハラ』『時間外労働』『サービス残業』といった項目で男性の2倍以上の人が悩んでいる結果に。男性の方が女性より悩んでいる人が多いのは『相続』『介護』『情報セキュリティ』の3項目だけだった」

悩みのない人が多い都道府県の中に
「1人あたりの悩みの数」は多い県も

 では、20代で悩みのない人が多い都道府県には、どんな特徴があるのだろうか。

 まず1位になった福岡県は、他県と比べて「教育」「まちづくり」に関する悩みを持つ人がとても少なかった。ただし、「就職難」「働きがい」といった点についてはそれぞれ悩む人が11.2%おり、これらについての問題を解決することで、より若者が幸せに暮らせる状況になりそうだ。

 2位の山口県は、他県より悩んでいる人が多い悩みがほとんどないという状況で、調査で選択肢となっている48項目の悩みを持つ人の平均値は5.2%と、これは秋田県、青森県、三重県に次いで4番目に少なかった。あらゆる項目において、まんべんなく悩む人が少ない県といえそうだ。

 3位の栃木県では「教育」や「経営・雇用」に関する悩みが比較的少ない一方で、「交通安全・交通マナー」に関する悩みは大分県、沖縄県に次いで3番目に多かった。

 4位の鳥取県は、悩みがない人が多い一方で、1人あたりの悩みの数の平均は全国で8番目に多い結果になった。つまり、悩んでいる人の割合は少ないが、悩んでいる人は悩みが多い状態のようだ。特に「経営・雇用」「健康・福祉」の悩みを持つ人が多く、これらの悩みは連動している可能性もある。

 そして5位の三重県は、1人あたりの悩みの数は5.1個と全国で3番目に少なく、ほとんどの項目で平均かそれ以下にもかかわらず、学力問題に悩む人の割合は10.3%と全国で最も多かった。

 ここまで見てきたように、悩みのない人が多い都道府県でも、悩みを抱えている人は複数の問題を抱えていたり、ある項目に絞れば悩む人が多かったりという状況があることがわかった。地域の未来を支えるすべての若者がいきいきと働き、暮らせるように、自治体をはじめとする地域の人々が彼らのささいな悩みにも耳を傾けていってほしいものだ。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)