あなたには、応援している人物、または応援しているスポーツチームはあるだろうか。そのターゲットの出身地や活動・活躍している場所には、自然と愛着がわき、興味を持つきっかけとなる。

 そこで、好きな人物やチームがある「応援したい」と思わせる出身者が多いのは、どの都道府県なのか。

 ブランド総合研究所は2021年2月に『第1回 関係人口の意識調査2021』を実施。「出身者(現在居住している人を除く)」と各都道府県を応援したいと回答した「応援者(今住んでいる都道府県と出身地を除く)」を「関係人口」として、各都道府県への訪問率や定住意欲度などに関するアンケートを行った。

 今回は、出身者と応援者に注目し、各都道府県への「応援意欲度」を紹介する。

※関係人口とは、総務省の定義によると、移住した人も含む「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人のことを指している。
調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットで実施し、18歳以上79歳以下から男女、年代別がほぼ均等になるように回収した。調査期間は2021年2月17日〜23日で、2万508人から回答を得ている(不完全回答を除いた)。

野球・サッカーに人気が集中
カープ女子は広島県出身者ばかりではない

「応援したい好きな人物やチームがある都道府県ランキング2021」の1位は、広島県(17.4%)。2位が福岡県(11.8%)で3位が大阪府(10.6%)となった。

 広島県は、2位の福岡県と5ポイント以上の差をつけての首位となっている。確かに広島県は、サンフレッチェ広島(サッカー)や広島東洋カープ(野球)などスポーツが盛んな都道府県のひとつだ。

 また、近年話題となっている「カープ女子」の存在。広島県民としては、昔から老若男女問わず広島東洋カープを応援しているので「今さらカープ女子!?」というイメージに戸惑いを感じているようだが、必ずしもカープ女子が広島県出身者ばかりではないことは注目すべきことといえる。

 今回は詳しく紹介していないが、この調査にある地域の魅力の設問「スポーツの参加・観戦が楽しめるランキング」の結果では、「居住者(28.7%)」「出身者(21.2%)」「応援者(21.9%)」、そして、「関係人口(21.6%)」と全てにおいて広島県は1位となっている。他の都道府県と比べても非常にスポーツに対する応援意欲が強いことがわかるだろう。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「カープ女子が多いのは必ずしも広島県民ではなく、応援したい関係人口が増え、いかに広島東洋カープが人気なのかがデータとして明らかとなった」と述べている。

 続いて、2位の福岡県はソフトバンクホークス(野球)が有名だ。ポイントがもっと高くてもいいのでは?と思う人も多いかもしれない。田中社長は、「ソフトバンクを応援する人は、福岡県民や九州の人たちが多い」と分析する。ソフトバンクホークスを応援する人たちは、圧倒的に「居住者(15.5%)」や「出身者(14.2%)」の支持が多く、広島東洋カープほどには県外まで広がっていないといえるだろう。

大阪府民も“地元意識”を持つ
阪神タイガースの本拠地は兵庫県

 3位と4位を見てみよう。3位が大阪府(10.6%)で4位は兵庫県(10.1%)という結果となった。この結果について、「阪神タイガースの本拠地である甲子園球場は、実は兵庫県にある。しかし、大阪府民は“地元”との意識が強く、タイガースファンが多い。2府県が地元としてあるというのは、タイガースの強みでもある」と田中社長は話す。

 ちなみに、大阪ドームを本拠地としているチームはオリックス・バファローズ(野球)である。兵庫県民としては多少不服かと思うが、自己主張の強い大阪府民が阪神タイガースを応援しているというイメージがこのような影響をもたらしたのかもしれない。

 今回のランキングでは1位〜8位は、どれもスポーツに関連している都道府県だ。しかし、突如9位に滋賀県が入っているのが特徴的である。こちらは「好きな人物」枠でのランクインと想像できる。

 2020年1月19日〜2021年2月7日に放送されたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の影響と考えることができる。主人公の明智光秀は滋賀県ゆかりの人物である。同調査の地域の魅力として「歴史人物、著名人、職人などにゆかりがあるランキング」の調査結果では、滋賀県が11位(16.9%)となっており、スポーツとの関連より、歴史人物としての魅力の方が強いのだろう。

「『麒麟がくる』の放送が決まってから、メディアの影響力で明智光秀の人気が急激に高まっていることが感じられた。滋賀県民にとって明智光秀が滋賀県にゆかりが深いのは当たり前なことだが、滋賀県民以外の人々の関心、特に『応援人口(13.5%)』と『出身人口(22.0%)』の中には改めてその魅力を再発見し、誇らしく思った人が多いのではないか」と田中社長。

 書店には明智光秀に関する書籍が多く並んだ。歴史好きだけではなく大河ドラマを通して滋賀県を応援しようと関心を持った人が多かったことは明白である。

(ライター 西嶋治美)