その収益性の高さにより、お客だけでなく多くの業界関係者からも注目されるベルク(埼玉県/原島一誠社長)。本稿前編では2月26日にリニューアルした「ベルク ベスタ東鷲宮店」(埼玉県久喜市:以下、東鷲宮店)の生鮮3品の売場を解説した。後編では総菜、日配、加工食品などについてレポートしていきたい。
調査日:4月10日、6月4日 ※本文中の価格はすべて本体価格

ベルク東鷲宮店の外観

売れ筋を確実に売る!

 店舗を正面から見て右手前側にあるのが、総菜売場だ。壁面にサラダ、焼鳥、フライ類、おにぎり、スイーツと並べ、コーナーを曲がって寿司、インストアベーカリーにつなげる、ベルクではおなじみの売場配置だ。筆者はこれまで多くのベルクの店舗を訪れているが、ほぼ全店がこの配置となっており、フォーマットの標準化が徹底されていることがよくわかる。

 商品は店内加工と、自社グループの「総菜センター」の商品、外注商品が混在している。陳列は量感を重視しているようでどのお客も買い慣れた様子で商品をカゴに入れている。この商品構成こそ、ベルク独自のノウハウなのだと思われる。

総菜売場で販売していた「ベルクの海苔弁」(498円)

 調査日は、「お弁当で、自宅が旅先。」と書かれた販促物を掲げ、新商品「沖縄ベルク流タコライス」を数量限定で販売していた。「たっぷり12貫 盛り寿司楽」(698円)、「やわらかロースとんかつ」(1枚248円)、「香り極立つにんにく醤油唐揚げ」(100g178円)といった具合に定番重視の商品ラインナップとなっており、「売れ筋を確実に売る」という姿勢が貫かれている。

豊富なラインナップのPB

 続いて日配売場にフォーカスしてみたい。和日配は、総菜との関連で売場を展開しており、手前側に豆腐や揚げ、漬物、店舗後方のパン売場との関連で麺や納豆を配置する。どのコーナーも、冷蔵ケース最下段にプライベートブランド「くらしにベルク kurabelc(以下、クラベルク)」商品を並べているのが目を引く。

 たとえば、豆腐では「絹豆腐」(300g 45円)、「やわらか造り油揚げ」(5枚入り84円)、納豆では「小粒納豆」(45g×3パック65円)、麺は「ゆでうどん」(1食28円)、そのほか新商品として「主役になる肉焼売」「主役になる海老焼売」(各278円)なども売場内で大きくアピールする。このように売れ筋を固めることができるPBの商品開発力もベルクの強さといえる。

 加工食品も、NB(ナショナルブランド)の売れ筋にPB絡めた商品構成で、一部こだわり商品の扱いはあるものの、それほど目立たない。「よく売れる商品」が品揃えのベースとなっている。

 店内手前側で展開する酒類もオーソドックスな品揃えで、ビール系飲料と缶チューハイに力を入れているようで、ケース売りや6缶セットの積極的に展開している。

売場演出が大きく変化!

 今回の調査は4月と6月にそれぞれ店舗を訪ねているが、2回目の訪問では売場の雰囲気がガラリと変化していた。1回目の訪問では「スペシャルプライス」といったような価格を訴求するPOPが目を引いたが、2回目では、各部門からのメッセージを伝えるような販促物が増えていた。

 たとえば、青果では「旬」「菜」と書かかれた販促物を9枚天井から吊るし、「旬」では北海道・茨城県産「青肉メロン」、「菜」では「トマト産地リレー」として全国のトマト産地を掲出していた。総菜では、総菜売場は「食べたら最後ベルクの虜、きっとこの味に惹かれる。」と書かれた販促物を掲げていたのが目を引いた。

 圧巻だったのは鮮魚売場で、「第58号ベルク丸」と書かれた巨大な大漁旗を天井から吊るし、壁面には、部門担当者が魚を持った写真とともに「魚を愛し、魚に愛された店」「一魚入魂」「魚には浪漫がある。」といったメッセージを大きく掲げていた。首都圏、関西圏では急成長中のロピア(神奈川県/高木勇輔代表)を彷彿とさせる、新しい売場演出となっている。

 そのほか、酒類売場では、36尺の冷蔵ケースの上に大型スクリーン9台を配置し、各メーカーのプロモーション映像を流している。9台のスクリーンに同時に映像が流れる様子は迫力にあふれ、売場に活気をもたらしている。

ベルク ベスタ東鷲宮店の売場レイアウト

「提案」のある冷凍食品売場とは

 もう1つ、2回目の訪問で大きく変化していた点がある。それが、冷凍食品での売場演出だ。

リーチイン什器と平台什器、合計約224尺のスペースで21カテゴリー約520品目を揃える東鷲宮店の冷凍食品売場。1回目の訪問時は、「冷凍食品が毎日安っ!」と記したPOPが中心だったが、再訪したときには「ベルク最大級品揃え」と大きく書かれた販促物を掲げ、「半額セール待つ必要なし」と銘打ったPOPが吊り下げられていた。

特筆すべきは、新たに登場した、PB、NBを含めた約40品目の商品の特徴を示したA4サイズのPOPである。たとえば、冷凍米飯コーナーでは、「ニチレイ・本格炒め炒飯450g」の単品を紹介するPOPを掲げ、「家庭ではできない『炒め』パワー」といった具合に独自のキャッチコピーとともに商品の特徴を伝えている。

 一般的に、冷凍食品は冷凍什器に商品を並べるだけの売場展開が多く、単品の提案が難しい。東鷲宮店で見られた、単品に特化したPOPは、そうした課題を解決する新たな冷凍食品の販促ツールであるのかもしれない。

注目すべきは商品開発力?!

 もう1つ、今回の調査で驚かされたのがベルクの商品開発力だ。ベルクはイオン(千葉県/吉田昭夫社長)が株式15%を保有するイオングループ企業だが、「トップバリュ」の扱いはビール系飲料や即席麺などの一部のみであり、“イオン色”は薄い。

ベルク中村常務が監修したというPBの「あんバターどら焼き」(128円)

 そんなベルクの売場の中でひときわ存在感を大きくしているのが先述の同社PB「クラベルク」だ。6月初旬に店舗を訪れると、店舗メイン入口付近に特設売場を設け、ベルク常務取締役の中村光宏氏が監修した、「あんバターどら焼き」(128円)を販売。「甘いものには少しうるさい」(売場POPより)というPB商品と、「新宿中村屋」のNBどら焼きとを、“中村”をキーワードに比較陳列したユニークな売場となっていた。

クラベルクのエナジードリンク「BARK250mℓ」
PBエナジードリンク「BARK」味のグミもラインナップする

 そのほかにも店内では随所でPBを扱っており、日配売場では新商品「極細めのどこし麺110g」(醤油味・辛味噌味、各198円)を、商品説明POPを使って大きくアピールしていた。トルコ産のパスタ、イタリア・スペイン産のワインやトマトホール缶など、ベルクの直輸入商品も目立ち、品揃えにバラエティをもたらしていた。こうしたユニークな商品づくりもベルクの成長を後押ししているのは間違いなさそうだ。

PB新商品の「ざる中華極細のどごし麺」は醤油味と辛みそ味の2種を揃える
PBは食品だけでなく、「キッチンパック80枚入り」のように、食に関連した日用品もラインナップしている

(店舗概要)
所在地 埼玉県久喜市桜田2-6-1
開店日 2008年10月29日
改装開店日 2022年2月26日
売場面積 2400㎡(727坪)
営業時間 9:00〜24:00
駐車台数 534台

著者:矢野清嗣