ヨーク(東京都/大竹正人社長)は11月30日、東京都新宿区に「ヨークフーズwithザ・ガーデン自由が丘西落合店」(以下、西落合店)をオープンした。同店は10月開店の「ヨークフーズwithザ・ガーデン自由が丘中野店」(以下、中野店)に続く、同じセブン&アイホールディングス(東京都/井阪隆一社長)グループ傘下のシェルガーデン(東京都/稲富仁社長)との協業で運営する食品スーパー(SM)第2号店の位置づけだ。

ヨークフーズ

新業態オープンの背景とは

 ヨークがシェルガーデンと協業し、新フォーマットを開発した理由は、首都圏エリアを攻略するためだ。2022年に入り、コストプッシュ型インフレが家計を襲うなか、消費の二極化が顕著になってきた。そうした状況において、ヨークは高所得者が多いマーケットで、シェルガーデンの高質商品を差し込み、買い上げ金額アップを狙っているのだ。

「ヨークフーズwithザ・ガーデン」業態を統括するヨーク執行役員の天勝啓介氏は「首都圏は高所得者を多く抱えるマーケットだが、人件費や家賃も高く、出店ハードルが高い。『ヨークフーズwithザ・ガーデン』業態では、シェルガーデンの高質商品を訴求しながら、当社が強みとする生鮮4品を販売することで、都市部の消費ポテンシャルを最大限引き出すフォーマットだ」と説明する。ヨークフーズ
 「ヨークフーズwithザ・ガーデン」業態の2号店となる西落合店は、都営地下鉄大江戸線「落合南長崎」駅から徒歩約7分の閑静な住宅街に位置する。商圏内には、20〜60代が多く居住し、高所得層も多い。西落合店は新宿区の北西部にあり、中野区と豊島区に挟まれた都心部への交通アクセスが良いエリアでもある。

 そんなエリアでヨークが二号店を構えたのは、1号店の中野店と商圏特性が似ているから。中野店周辺も比較的所得の高い若年層の単身世帯が多く、都心へのアクセスが良い地域に位置している。天勝氏によると、中野店との違いは、西落合店には若年層の単身世帯を中心に、一定数の世帯年収300万円以下の低所得者層がいることだという。そんな西落合店では、「専門店の品質」ニーズに訴求する商品政策(MD)と、価格訴求型MDの二つの価値を提供する売場をつくっていく。

ヨークベニマルの総菜ブランドを導入 おでんが好調

 西落合店の売場面積は1033㎡(中野店は1145㎡)。同店入口付近では、青果・総菜一体のダブルコンコース型売場を展開。ヨーク広報担当者が「商圏にはSMが少ないため、生鮮には力を入れた」と話すよう、青果売場では同じセブン&アイグループ傘下のイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)の国産野菜ブランド「顔が見える野菜。」の「ほうれん草」(98円、以下すべて税抜)をはじめ271SKUで展開。精肉売場に目を向けると、「国産豚肉煮込み用スペアリブ」(100グラム・108円)を平台ケース一面で販売していた。ヨークフーズ

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 総菜売場ではヨークベニマル(福島県/真船幸夫社長)オリジナルの総菜ブランドである「レストランデリ」を展開。「海老クリームコロッケ」(2個入・390円)や「旨塩野菜と食べるグリルポーク」(205円)などの商品が並んでいた。商圏内には事業所が多く、ビジネスパーソンの昼食需要や、単身世帯の中食需要に対応するMDだ。ヨークフーズ

 日配売場では、ヨークオリジナルの「寿隆蒲鉾 粋おでん」(900グラム・880円)を導入。飛魚だしつゆに9種12品が入ったおでんで、練り物には、のどぐろや蟹を使用している。同社日配担当者によると、おでんカテゴリーの売上高は対前年同月比約50%伸長していて好調だという。また、同氏担当者は「コストプッシュ型インフレが家計を襲い、‟具沢山のメニューを安価で食べたい“という欲求が顕在化している」と分析する。そのため高質商品だけではなく、グループ連携を活かした、セブンプレミアム「おでん1人前」(486グラム・248円)といった価格訴求商品も販売していた。ヨークフーズ

ワインなどシェルガーデンの商品約570SKU投入

 西落合店では、シェルガーデンの高質商品・輸入商品を約570SKU展開している。ワインや菓子といったカテゴリーがメーンで、シャンパンの「 JコンテP&Fブリュット」(750ml・2780円)やのスペイン産ワインの「レジェス アラゴン カバ ブリュットレセレバ」(同・1580円)、輸入菓子の「ハーシー ミルクチョコレート キングサイズ」(73グラム・238円)などの商品がある。先行開業した中野店ではとくにワインが好調で、シェルガーデン商品部業務統括部長の坂下幸一氏は「売れ筋商品の売上はシェルガーデンの既存店と遜色ないレベルで推移している」話す。好調なワインは関連販売するチーズや生ハムへの売上の波及効果もあるという。ヨークフーズ

 価格訴求する商品群としては加工食品売場で「ヤマザキ ランチパック」の「ピーナッツ」(98円)など、ランチパックシリーズをフロア什器のエンド一面で展開していた。冷凍食品売場でも「味の素 ギョーザ」(12個入・198円)などの定番商品は価格を打ち出していた。ヨークフーズ

 シェルガーデンの商品をはじめとした高質商品を展開しながら、価格訴求に応じるMDも実践する西落合店。セブン&アイグループのシナジーを最大限発揮しようとするねらいが見てとれる売場を構築していた。
 

著者:湯浅 大輝