各社より2024年春夏期の新商品が発表されている。本企画では本誌が注目した新商品・リニューアル品をピックアップ。コロナ禍以降消費者ニーズの高い「健康・機能性」、簡便・時短、味の新奇性が光る「パスタ新潮流」、定番商品による「ロングセラーブランドのブラッシュアップ」の3つの切り口で紹介する。

トレンド❶
健康・機能性

 コロナ禍以降、生活者の健康意識が高まったことで健康・機能性を訴求する商品の需要が拡大。新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられた現在もその傾向は続き、プラントベースの食品や健康配慮の機能性表示食品は店頭で増加傾向にある。

 アサヒ飲料では「カルピス由来の乳酸菌科学シリーズ」を「カルピス」ブランドのヘルスケア新シリーズ「PLUS カルピス」としてリニューアル。心理的なストレスを和らげ、睡眠の質(眠りの深さ)を高める機能、腸内環境を整える機能を持つガセリ菌CP2305株を含んだ「PLUS カルピス睡眠・腸活ケア」、健康な人の免疫機能の維持とハウスダスト・ホコリなどによる鼻の不快感を軽減する機能を持つL-92乳酸菌を含んだ「PLUS カルピス免疫サポート」、BMIが高めの人のおなかの脂肪(体脂肪、内臓脂肪)を減らす機能を持った乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタデカン酸を含む「PLUS カルピス体脂肪ケア」をラインアップする。

 脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするダブルトクホとして知られる日本コカ・コーラのロングセラー商品「からだすこやか茶W」は発売10周年を機にリニューアル。従来の機能はそのままに、「内臓脂肪を減らすのを助ける」機能訴求追加を許可された史上初のトリプルトクホ「からだすこやか茶W+」として新発売する。

 森永乳業の「PURESU(ピュレス)発酵酢ドリンク」は酢酸とビフィズス菌BB536を含む機能性表示食品で、ざくろ味とマスカット味をラインアップする。酢酸は日常生活で生じる運動程度の疲労感を軽減する機能、肥満気味の人のおなかの脂肪(内臓脂肪、腹部総脂肪)を減少させる機能、ビフィズス菌BB536 には大腸の腸内環境を改善し、腸の調子を整える機能があることが報告されている。

 雪印メグミルクのプラントベースフードシリーズ「Plant Label」は、飲料としてえんどう豆たんぱくを使用した「Plant Label Pea Drink」、オーツ麦を使用した「Plant Label Oat Drink」、ヨーグルトタイプとして「ナチュレ恵megumi 植物生まれ」、機能性表示食品の個食タイプ「ナチュレ恵megumi ガセリ菌 SP 株植物生まれ」を展開。同社ではシリーズを通じ、社会における多様性、持続性の課題に対し新たな価値を提案していく。

健康・機能性

トレンド❷
パスタ新潮流

 食の洋食化に伴い、性別問わず幅広い世代に支持されているパスタ関連商品。外食クオリティの本格的な味わいを訴求する商品に加えて、近年は調理の簡便・時短から一歩進んだタイパ(タイムパフォーマンス)を訴求する商品も増えている。

 味の素の「パスタキューブ」は、日本初となるキューブタイプのパスタ用調味料。フライパンで具材を炒めた後に麺と水とキューブを加え、水分をとばしながらゆで上げるだけで、おいしいパスタが簡単にできる。味は「うま辛ペペロンチーノ」「香ばし和風醤油」の2種。麺ゆでから味付けまでのすべてがひとつのフライパンで完結するので、調理や洗い物の手間が省ける点もポイントだ。

 東洋水産の「懐かしスパ」は、フライパンで炒めるだけでどこか懐かしさを感じられる味わいを再現できるチルドスパゲッティの新ブランド。独自の蒸し製法でモチっとした弾力のある麺に仕上げた。ポークのうま味をベースにバターの風味を利かせた「醤油バター味」、ケチャップの濃厚な味わいが特長の「ナポリタン」の2品をラインアップする。麺重量は満足感のある1食200gで、コスパ・タイパに対応する。

 永谷園の「パキット」は、折ったパスタをパッケージに入れ電子レンジで温めるだけで、“パスタのゆで”と“ソースの温め”が一度にできる画期的なパスタソース。これまでボロネーゼ、カルボナーラ、ペペロンチーノ、たらこの4品を展開している。今期は新商品としてさわやかなバジルの香りと芳醇なチーズの濃厚な味わいの「ジェノベーゼ」を追加し、パスタソース市場のさらなる活性化を図る。

 日清製粉ウェルナの「マ・マー生パスタ」は小鍋で2分ゆでるだけで外食品質の生パスタが手軽に楽しめる製品。独自製法によりゆで時間を短くしつつ、肉厚で弾力のあるもちもちとした食感が楽しめる点にこだわった。「マ・マー生パスタフェットチーネ」と「マ・マー生パスタリングイーネ」の2品を展開する。

パスタ新潮流

トレンド❸
ロングセラーブランドのブラッシュアップ

 昨今の物価上昇もあって生活者の防衛意識は高まっており、より安心できるロングセラーブランドを選択する傾向にある。メーカー各社では味覚や量目、パッケージのデザインなど、時代の変化に合わせた定番商品の改良を行っている。

 1952年の発売以来、多くのユーザーに支持されているオタフクソースの「お好みソース」は今春15年ぶりにリニューアルを実施。これまでのおいしさはそのままに、甘味とうま味をアップさせる味の改良を行ったほか、パッケージもより野菜と果実の存在を感じられるデザインに刷新している。

 東海漬物では30年以上のロングセラー商品である刻み漬け商品を「ごはんに逸品」としてシリーズ化。6種類の細かく刻んだ野菜を旨辛く漬け込んだ「どん辛」、歯ざわりのよい胡瓜をしそと一緒に旨辛く漬け込んだ「旨辛きゅうり」、食感のよいしその実と刻んだ大根、胡瓜、生姜を漬け込んだ「青しその実」の3品を展開する。

 今年発売55周年を迎えるにんべんの小分け鰹節「フレッシュパック」シリーズは少人数世帯の増加により近年シェアを伸ばしている小容量の2.5gパックをラインアップに加えた。発売55周年を記念して、ブランドサイトをオープンするほか、主力の4.5g×8袋に周年ロゴを入れたパッケージを展開し、売場を盛り上げる。

 モランボンでは、今年45周年を迎える「ジャン焼肉の生だれ」から5年ぶりの新商品として、上質嗜好を愉しむことができる「ジャン焼肉の生だれ和牛専用」を発売。焼いた時に香ばしさがプラスされ、肉のおいしさをさらに引き立てる下味だれと、まろやかな甘味と酸味が特徴のつけだれをセットにした商品で、和牛のおいしさをさらに引き立てる。

 健康・機能性やタイパ・コスパなどさまざまな切り口で既存商品との差別化を図る新商品。定番棚だけでなくエンドやクロスMDで露出を増やし、来店客とのタッチポイントを増やしていきたい。

ロングセラーブランドのブラッシュアップ

著者:ライター:石山真紀