50代で貯金が少ない人は、老後資金を貯めるのが難しそうだが、定年が迫っているいまからでもお金は作れる。短期間で老後資金を貯めるにはどのような行動をすればよいのか?

■50代で老後資金を貯める方法

50代で貯金がない人が老後資金を確保するためには、若い世代とは違った工夫が必要だ。比較的短期間で老後資金を確保するための方法には次のようなものがある。

●副業やパートで収入を増やす

住居費の節約や金融商品への投資でカバーしきれない部分は、副業やパートで収入を増やして老後資金を確保したい。

今では、パソコンやスマホ1台でできる副業が数多くあり、初期投資はほとんどかからない。

副業で月3万円以上稼いでいる人は全体の6割以上いるので、十分な副収入になる可能性がある(パーソルキャリア2021年8月調査)。

副業で稼ぐのが難しい人は、パートやアルバイトで稼いでもいいだろう。体力的に問題なければ、60代以降もある程度の収入を確保できる。

ただし、おいしい副業を紹介するという詐欺も増えている。副業にせよ投資にせよ「おいしい情報」には裏があると考え、安易に飛びつかないようにしたい。

●金融商品で備える

金融商品で備える方法も、50代で老後資金を貯める一つの手段だ。まとまった資金がなくても、毎月積み立てができるつみたてNISAやiDeCo、個人年金保険がある。

ただし、iDeCoや個人年金保険には最低加入期間や払込期間があるので注意したい。

iDeCoは60歳以降かつ5年以上加入しないと受け取れない。個人年金保険は契約内容によりますが、20年以上の払込が必要になるものが一般的だ。

50代から金融商品への積み立てを始めるなら、加入期間や払込期間の制約がないつみたてNISAの利用が現実的だろう。

毎月3万円を年3%の運用利回りで投資できれば、10年後には約420万円になる。

退職金がある会社員や公務員なら、退職金と合わせて1,500万円程度の老後資金を確保できる。

■50代で「老後資金を作りたい」人がやったほうがいいこと

定年・老後が目前に迫る50代は、老後の暮らしとかかるお金について見直すべき時期だ。そろそろ子育てもひと段落する家庭も多いこの時期、安定した老後のために、やっておきたいことがある。

●住宅ローン・保険を見直そう

住居費も見直すべきと指摘したが、もし持ち家で住宅ローンの返済が続いているなら、一度、現時点でこのまま払い続けるのがよいかどうか確認しておきたい。契約内容や残高によっては、見直しをしたほうがいい可能性もあるからだ。

これは保険も同様で、もし子育てが終わっているなら大きな保障額は要らなくなっているかもしれない。現時点で加入している保険契約の保障内容が必要なものか確かめよう。

契約してから月日がたっていれば、同じ保障内容でも安く契約しなおせるかもしれない。

ただ、年齢が高くなっているため逆に保険料が高くなる場合もある。

毎月の保険料負担と、欲しい保障内容のほか、自分が契約したときにはなかった新しい保険商品も含めて比べてみるといいだろう。

●生活費・支出の全体像を見直そう

50代は30代、40代の延長ではあるものの、生活にかかるお金もその頃と変わってきているはずなので、このタイミングで一度、生活費全体、支出全体が適切かどうか見直すといいだろう。

教育費などはもとより、食費や光熱費、住居費などの固定費も、果たして「今の自分たちに必要か」という観点で見直そう。

その中には、たとえば動画やネットサービスのサブスクリプション契約など「何となく続けてきた出費」もあるはずだ。

文/編集・dメニューマネー編集部