日本中、いや世界中のどの街に行っても、どこにでもあるお店といっても過言ではないマクドナルド。『ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密』(7月29日公開)は、そんな超有名企業の、あまりに無名な“創業者”であるレイ・クロックの伝記的な作品です。

舞台となるのは、1950年代のアメリカ中西部。細々とミルクシェイクミキサーを売る52歳のレイが、ある時、30秒で料理を提供する画期的なシステムを生み出したマック&ディック兄弟のハンバーガーショップ“マクドナルド”と出会うところから、この物語は始まります。

しがないセールスマンだったレイが、いかにして世界的な億万長者へと上り詰めたのか?マクドナルド誕生に隠された秘密が暴かれていきます。没後30年経った今なお、多くの起業家たちからリスペクトされ続けるレイですが、映画では手段を択ばない彼の人格的な問題も描かれているのも事実です。今回は50代からの“成り上がり”入門として打ってつけの本作から彼の成功哲学を紹介します。

何よりも自分を信じ、信念を貫き通す!

そろそろ引退について考え始める52歳という年齢に達してもなお、成功を夢見て新しいビジネスチャンスに飛び付きまくり、その度に仕事を転々としてきたレイ。ミルクシェイクミキサーの販売もなかなか軌道に乗らず、呪文のようなセールストークを連日繰り返しては、無念の表情で次の営業先へと向かう……。銀行の融資担当者や友人たちに嘲笑されようと、それでもレイは絶対に自分の成功を疑いません。なぜなら彼に信念があったからです。

「勇気を持って、誰よりも先に、違ったことをしよう」

これはユニクロで知られるファーストリテイリング代表取締役・柳井正が若い頃に感銘を受けたレイの言葉です。周囲の空気に流されることなく自分を信じ、率先して人と違うことに挑んでいく姿勢は、成功するためには重要なのです。

時には冷酷になることもビジネスには必要!?

マクドナルドに人生の勝機を見出し、マック&ディック兄弟と契約を交わしたレイは、怒涛の勢いでマクドナルドのフランチャイズ化を成功させます。しかし兄弟と最初に結んだ契約に縛られ、思うような利益を上げられず、次第に金銭的苦境に……。崖っぷちのレイは、新会社を設立することで契約の抜け道を探り、自分の利益を追求するようになっていきます。それによって兄弟との対立は決定的になりますが、引き換えに自身の成功を確固たるものとするのです。

「ライバルが溺れてたらホースを口に突っ込む」

ビジネスは食うか食われるかのシビアな世界です。レイが取った行動は褒められたものではないですが、競争社会で勝利を収めるには、仲間でさえ裏切る冷酷さが必要な時があります。レイのこの言葉は、厳しいビジネスの世界を生き抜くためには覚悟が必要だということを的確に表しているのです。

飽くなき野望を武器にレイは、スピーディーな料理提供システムというマック兄弟の発明を利用するかたちでのし上がっていきます。成功へのヒントが随所に散りばめられている本作は、観て損はなし! 成り上りへの第1歩として、まずは映画館に足を運びましょう。

(文/バーババー・サンクレイオ翼)