ミイラ映画のエポックメイキング的作品『ミイラ再生』(1932年)をトム・クルーズ主演でリブートした『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(7月28日公開)。2000年の時を経て現代に蘇った古代エジプトの王女に魅入られた男をトム・クルーズが演じ、『ミッション:インポッシブル:III』(2006年)で脚本を務めたアレックス・カーツマンがメガホンをとります。そしてトム・クルーズがまたしても華麗なスタントを披露しています。

これまで危険なアクションシーンでもスタントマンを使わず自ら演じてきたトム。その過激さは50歳を超えて、ますます磨きがかかっています。今日は彼の進化の歴史を、年齢順に出演映画で振り返ってみましょう。

20代……『トップガン』で女性教官をバイクの後ろに乗せてドライブ

『トップガン』(1986年)ではカワサキの2輪「Ninja」にまたがり精悍な男の魅力を振りまいていたトム・クルーズ。アメリカ海軍に所属するエリートパイロットの訓練生マーヴェリックとして、ケリー・マクギリス扮する女性教官チャーリーとタンデム走行したり、黒いティアドロップサングラスをかけて一人バイクで疾走する姿が映し出されています。幼い頃からバイクやレーシングカーに興味があったというトムの運転技術は抜群で、これまで多くの作品でバイクや車を自ら運転していますが、ルーツはココにあったのですね。

30代……アクション俳優としてのスタートとなった『ミッション:インポッシブル』

30代になり、トムはその後の役者人生を左右したと言っても過言ではない役柄と出会います。米の人気テレビドラマ「スパイ大作戦」を映画化し、アクション俳優・トム・クルーズの代表作となった『ミッション:インポッシブル』シリーズで演じたCIAの工作員イーサン・ハントです。

1作目となる『ミッション:インポッシブル』(1996年)で、組織の裏切り者として疑われたイーサンがレストランの水槽を爆破して逃げるシーンでは、スタッフの心配をよそに自ら果敢にスタントに挑みました。一気に押し寄せる16トンもの水流をモノともせずに夜の街に走り去る脚力や、天上から宙吊りになりながらCIA内部のデータにアクセスする脅威の体幹など、身体能力の高さを見せつけています。

40代……もはや超絶アクションは当たり前。ロマンスだって忘れない『ナイト&デイ』

キャメロン・ディアスと共演した『ナイト&デイ』(2010年)は、特殊任務を遂行中のトム扮するスパイ・ロイとキャメロン扮するジューンのラブロマンス。トムがキャメロンを抱えて砂浜を転がるノーCGの飛行機爆撃シーンのほか、カーチェイスで車から車まで飛び移るトムと車を180度スピンさせるキャメロンなど、2人の息の合ったスタントが楽しめます。トムの運転するバイクの後ろにキャメロンがまたがり、雄牛の間を疾駆する危険なシーンについて、キャメロンは「トム以外の人のバイクの後ろには乗りたくなかったの」と語っており、トムに対し絶対の信頼を寄せていたようです。

また、忘れてはならない『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011年)も40代の作品。世界一高いドバイの高層タワー「ブルジュ・ハリファ」の外壁を駆け降りる超絶スタントは世界中に衝撃を与えました。

50代……年齢に反比例してアクションはますます過激に。シリーズ最新映画続々

続くシリーズ第5弾『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015年)でも、1500メートル上空を飛行する時速400キロの軍用機にしがみつく決死のスタントに挑んだトム。撮影はエンジンからはじけ飛ぶ燃料やガスから目を守るために、眼球に特殊なレンズを装着するなどかなり過酷だったようです。これ以外にもアトラス山脈を舞台に猛スピードのバイクでカーチェイスを繰り広げるなど、50代とは思えない大ハッスル! 作品を重ねるごとに激しくなるスタントには、プロのスタントマンからも賞賛の声が挙がっています。

また、もう1つの代表的シリーズの続編『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(2016年)では、元米軍秘密捜査官ジャック・リーチャーとして激しい銃撃戦やキレの良い接近戦を展開。ド迫力のカーアクションはもはや朝飯前といった余裕すら感じさせますね。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の少女』では、横滑りしてくるバス内に飛び込んだり、制御不能になった飛行機内でのきりもみ状態も自らトライ。崩れ落ちる建物にしがみつき、炎をかいくぐり、水を掻き分け、急な山道を転げ落ちる……パワー全開のアクションには思わず惚れ惚れしてしまいます。年齢に反比例して進化を続けるトムは7月3日に55歳の誕生日を迎えましたが、今後も年齢を超越したスーパーアクションを期待してしまいます!

(文/足立美由紀・サンクレイオ翼)